「コメは買ったことがない」だけじゃない。安倍氏ともどもコメ不足と価格高騰の原因を作った江藤農水相の思い出深い“やっちまった事案”

 

安倍氏とともに「ステルス減反政策」を主導した江藤氏

まだ記憶に新しい2025年2月28日の衆院予算委員会で、野党から「備蓄米を放出すればコメの価格は安定するのか?」と問われた江藤拓は、次のように答弁したのです。

江藤拓農水相 「備蓄米は法律に基づいて運用しなければなりません。食糧法、財政法に基づいて、これは運用しなければなりません。これは、立憲民主党の方もおられますが、立憲主義ですから、法律はしっかり守らなければなりません。そういうことでありますから。価格の安定なんて書いてありません。食糧法にはですね、書いてありません!書いてありません!書いてありません!」

最後は壊れたボイスレコーダーみたくなっちゃった江藤拓でしたが、ようするに「食糧法には『価格の安定』などとは書いてないので、このままコメの価格が安定しなくてもボクちゃん責任ないも~ん!」というわけです。でも「食糧法」というのは略称で、正式な名称は「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」というのです。そもそも、この法律の名称が「価格の安定」を謳ってるじゃないですか。そして、内容を確認すると、第二条には次のように明記されているのです。

政府は、米穀の需給及び価格の安定を図るため、米穀の需給の適確な見通しを策定し、これに基づき、整合性をもって、米穀の需給の均衡を図るための生産調整の円滑な推進、米穀の供給が不足する事態に備えた備蓄の機動的な運営及び消費者が必要とする米穀の適正かつ円滑な流通の確保を図るとともに、米穀の適切な買入れ、輸入及び売渡しを行うものとする。

本日三度目のおいおいおいおいおーーーーい!!…というわけで、思いっきり「価格の安定を図るため」って書いてあるじゃん!書いてあるじゃん!書いてあるじゃん!って、あたしもバカが感染して壊れたボイスレコーダーみたくなっちゃいましたが、百歩ゆずって、江藤拓が現在の第2次石破内閣で初入閣した農水相なら、「食糧法」を正しく理解していなかったとしても「勉強不足」程度で済んでいたと思います。

しかし、江藤拓は農水一筋で出世して来た専門家なのです。当選2回目の2008年には福田康夫改造内閣で農林水産大臣政務官に抜擢され、続く2009年の麻生内閣でも農林水産大臣政務官に留任し、2012年の第2次安倍内閣では農林水産副大臣に任命され、2019年の第4次安倍第2次改造内閣では、ついに農林水産大臣に上り詰めたのです。この間、江藤拓は、衆議院の農林水産委員長や自民党の農林部会長なども歴任して来ました。

つまり江藤拓は、当選2回目の2008年から現在まで、17年間もJA関連の団体とベッタリ癒着して来た筋金入りの農水族だったのです。そして、2018年に当時の安倍晋三首相が「減反政策の廃止」を掲げてコメ農家への「生産数量目標」の通知を廃止した時、それまでコメを作っていた田んぼを家畜の飼料用米や麦などへ転作した場合の補助金を拡充するという「ステルス減反政策」を主導したのが江藤拓なのです。ようするに、現在のコメ不足と価格高騰の原因を作ったのが安倍晋三と江藤拓というわけです。

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