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あと2年で「家畜のエサ」になる備蓄米を高値で国民に売りつける小泉進次郎ボッタクリ農水相、スーパーのコメ売り場「視察」も僅か8分間

5月21日の農水相就任当日に放出する備蓄米の店頭価格を「5キロ2,000円台にする」と宣言した小泉進次郎氏。それでも高いという声を受け翌日には「2,000円台ではなく2,000円」、さらに28日には「2021年産米は1,800円」と発言するなど、国民を混乱状態に陥らせ続けていると言っても過言ではありません。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、今般の備蓄米の価格設定を「ボッタクリ」と一刀両断。そう批判する根拠を示すとともに、税金で買い占めた備蓄米を国民に売るという行為自体を非難しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:古古古米が2000円?

備蓄米を売るというボッタクリ。国民を混乱に陥れるセクシー&ポエム進次郎

国民感情を逆なでする失言でオウンゴールを決め、事実上の更迭を余儀なくされた江藤拓に代わり、間髪入れずに農林水産大臣の座を射止めたのが、デビュー時の山瀬まみと同様に「国民のおもちゃ」というキャッチフレーズが揺るぎない小泉進次郎でした。

二世議員でダメだったから次は三世議員という、自民党らしい伝統的な世襲人事がここでも炸裂したわけですが、サスガは父親ゆずりのパフォーマーである進次郎です。就任した5月21日に「備蓄米の店頭価格を2,000円台にします」と宣言しちゃいました。

コレを受けて、あたしは当日、ツイッター(現・X)で次のアンケートを実施してみました。

【設問】日本をここまで衰退させた元凶である「自民党の世襲議員」を代表する小泉進次郎氏が農水大臣に任命されましたが、あなたは小泉大臣の政策によってコメの価格が元に戻り、誰もが普通に購入できるようになると思いますか?

1.彼なら必ずやってくれる!
2.あのバカには絶対に無理!
3.コメは安くならないがファンタジーな発言に期待♪

結果は、有効回答数が870票で、1が「3%」、2が「63.6%」、3が「33.4%」でした。

https://x.com/kikko_no_blog/status/1925155064597127536

ま、これは真面目なアンケートではありませんが、小泉進次郎と言えば15年も政治家をやって来たのに、コレと言った実績もない「親の七光」だけのバカボン、というイメージを持っている人が大半だと思います。事実、彼の仕事と言えば「レジ袋の有料化」くらいしか思い当たりません。

しかし、3割もの人がアンケートの3番に投票したことからも分かるように、小泉進次郎と言えば、政策よりも通称「ポエム」と呼ばれるファンタジー発言の数々です。特に有名なのが、環境大臣だった2019年9月、ニューヨークの国連本部で開かれた「気候行動サミット」で述べた次のセリフです。

小泉進次郎 「政治にはさまざまな問題があり退屈なこともあるが、気候変動のように大きな問題への取り組みは、時に楽しく、時にクールで、そして、時にはセクシーでもあるべきだ」

もともとは、国連気候変動枠組条約の事務局長だったクリスティーナ・フィゲレスが、この問題をより多くの人に注目してもらうために「気候変動問題への取り組みはセクシー(魅力的)であるべき」というフレーズを多用していました。そして、直前に会場でクリスティーナと接触した進次郎は、彼女のこのフレーズを聞き、自分のスピーチに折り込んだのです。しかし、一般の人たちはそんなこと知らないのですから、あたしならこういう言い回しにしました。

「気候変動問題への取り組みについて、前事務局長のクリスティーナは『セクシーであるべき』と言いましたが、私も同感です。極めて難しい問題だからこそ、すべてを四角四面に考えるのではなく、時には楽しく、時にはクールに、そして、時にはセクシーに取り組むべきだと考えます」

こういう言い回しなら、正しく真意が伝わったと思いますし、誤解されることもなかったと思います。しかし、小泉進次郎は常に言葉足らずで、記者の質問と進次郎の回答が噛み合わないこともしばしばです。

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記者からの質問に馬脚を現した小泉農水相

だからこそ記者とのやりとりを「ポエム」とか「禅問答」とか言われてしまうわけですが、今回もこんなやりとりがありました。

記者 「普段、おコメをどれくらいのキロ数で購入していますか?」

小泉進次郎 「いろんなコメを買います。うちは息子も娘もまだ小さいものですから、パッとすぐ時短であげなきゃという時は、パックご飯も買います」

自分の家が何キロ単位でコメを買ってるのか、1カ月にどれくらいのコメを消費しているのか、何も知らないから具体的に答えられない。しかし、ここで答えられないのはまずい。だから微妙に話をそらしてゴマカした。あたしにはそう見えました。そもそもの話、奥さんがいて家政婦も雇ってるのに、子どもにレンチンごはんを食べさせているなんて考えられません。

ま、それはともかく、就任早々「備蓄米の店頭価格を2,000円台にします」と宣言した進次郎に対して、「2,990円だって2,000円台ですよね?」という「進次郎構文」を先読みしたツッコミがSNS上に散見されるようになると、翌日には「2,000円台ではなく2,000円にします」と言い直しました。そして、2日後の23日には、さっそく都内江東区のスーパーのコメ売り場を視察して、引き連れて行った数多くの記者やカメラマンらに大々的に報じさせました。

それなのに、嗚呼それなのに、それなのに…、報道によると進次郎がスーパーに滞在した時間は「わずか8分」とのこと。そう言えば、選挙が近づくと思い出したように東日本大震災の被災地を視察していた安倍晋三も、滞在時間は「わずか8分」でした。仮設住宅を視察した時は、車から降りずに仮設住宅を5分ほど眺め、車から降りて3分ほど歩き、また車に乗って立ち去りました。

その間、被災者との会話はゼロです。「安倍首相が来る」と聞いていろいろ準備していた仮設住宅の人たちは呆気に取られ、中には「たった8分の視察で何が分かるのか!」と激怒した人もいました。それなのに、翌日の朝刊には、仮設住宅の前に立つ作業着姿の安倍晋三の写真と「今後も被災者に寄り添ってナンタラカンタラ」というお約束のコメントが掲載されたのです。

今回の小泉進次郎の視察も、本当に現場の状況を知ろうとしていたら、スーパーの担当者の声を聞くことは当然として、周囲の買い物客の声も聞き、せめて30分くらいは情報収取を行なっていたでしょう。しかし、各社のカメラマンたちに、コメのない棚を眺める自分の写真を撮らせたら、誰の声も聞かずにトットと店を出た進次郎。所詮は安倍晋三と同様の「選挙向けのパフォーマンス」だったのです。

そんな自称「コメ担当大臣」の小泉進次郎に対して、あたしはツイッターでちょっと意地悪なツッコミを入れてみました。

きっこ @kikko_no_blog
進次郎、お前は「5キロ2000円台でなく2000円にする」と公言したが、それは「税込み2000円」て意味だよな?「8%の消費税込みで2000円」、つまり「税別1851円」てことだよな?もしも「税別2000円」だったら、あたしらは「2160円」払わなきゃ買えないから、お前は安倍晋三と同じ「大嘘つき」になるぞ!
午後9:29 2025年5月24日

https://x.com/kikko_no_blog/status/1926254220228907039

すると新次郎は、26日の参院決算委員会で、随意契約で6月上旬にも店頭に並ぶという備蓄米の店頭価格について「5キロ2,000円、税込みで2,160円になる」と述べたのです。あたしの予想した通りじゃん!

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去年春までは高級米だった「5キロ2,000円以上」のコメ

今回の「令和のコメ騒動」が起こるまで、コメの店頭価格なんてまったく知らなかった富裕層の皆さんは、石破茂は「おコメの価格は5キロ3,000円台でなければならない」、小泉進次郎は「5キロ2,000円にする」と、トンチンカンなことを連発しています。これは「作年までは5キロ2,000円だったのに、現在は2倍の4,000円を超えている」という報道が原因だと思います。

でも、毎週スーパーに通い、少しでも安い食材を探して苦労して来た庶民の皆さんなら分かるように、多くの人たちは「5キロ2,000円」なんていう高価なコメなど買って来ませんでした。コメ不足になる前、去年の春までのスーパーには、それこそピンからキリまでいろいろなおコメが並んでいましたが、一般的に「5キロ2,000円以上」は高級なブランド米で、庶民には、少なくともあたしには手が出ませんでした。

そんな時、あたしたち庶民が助けられていたのが、各スーパーが定期的に行なっていた「お米セール」でした。5キロの「あきたこまち」が1,840円とかで山積みされていて、1人1袋まででした。消費税8%を加えてもギリギリ2000円以下に収まる価格設定でした。そしてセールのない時は、あたしは「ブランド米」ならぬ「ブレンド米」、5キロ1,680円とか1,720円とかのものを買っていました。

それなのに、政府備蓄米が5キロ2,000円?それも、これは税別だから、消費税を入れたら2,160円って、はぁ?1年前ならブランド米が買えた値段じゃん!これって完全にボッタクリじゃん!だって、今回、進次郎が随意契約で放出すると言ってる30万トンの備蓄米って、令和4年産の古古米と令和3年産の古古古米なんですよ?

…そんなわけで、備蓄米の保存期間は、通常5年間と決められています。それは、玄米の保存が5年を過ぎると品質が落ちて味が劣化するので、人間の食用には適さなくなるからです。そのため、備蓄米は常に新しいものが補充されているのですが、それでは保存期間が5年に近づいた古い備蓄米はどうしているのでしょうか?それは、主に家畜の飼料米として安く販売されているのです。

つまり、進次郎が「5キロ2,000円+税」を販売すると言ってる古古古米は、あと2年、そのまま備蓄していたら、家畜のエサになるコメなのです。そんなものを1年前のブランド米と同じ値段で国民に売りつけるなんて、これをボッタクリと言わずして誰がバッハ会長なのでしょうか!つーか、そもそも備蓄米って国民から巻き上げた税金で買い占めてるものなのに、それを国民に売るとは何事なのでしょうか!

前任のバカ大臣が全国民に大迷惑を掛けたのですから、古古古米や古古米なんか国民に無料で配布したって良さそうなものなのに!…なんて思った今日この頃です。

(『きっこのメルマガ』2025年5月28日号より一部抜粋・文中敬称略)

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