7月5日の「大災害」予言を信じた人は「貧困予備軍」ばかりだった!? 未来予測を好む人ほど「お金に嫌われる」理由

 

予測可能だという前提そのものがおかしい

株式市場のような領域でも、その傾向が顕著である。

多くの投資家は、日々のニュースを眺め、「今後どうなるのか」を必死に読み取ろうとする。政策金利、GDP成長率、失業率、企業業績、地政学リスク……。すべてを材料に未来を予測しようと試みる。

だが、誰も予測を正確に当てられない

政策金利を決定する失業率やインフレ率は予想外の動きをしているかもしれないし、予期せぬスキャンダル、予期せぬ悪材料、予期せぬ政治家の言動、予期せぬ企業のアナウンス、予期せぬ天変地異、予期せぬ国家間の衝突、予期せぬ誤報道が起きるかもしれない。

そして、予期したことであっても、相場は「過去と同じ動きを繰り返す」わけではないし、期待通りの反応をすることもない。業績が好調な企業の株価が急落することもあれば、悪材料が出ても株価が上がる場面もある。

よく考えて欲しい。こんなものをすべてピタリと当てることなどできるわけがない。不確実性を生み出す要因は日常的に発生している。ロジックで説明しきれない要素が市場には満ちている。

これらの要素は互いに複雑にかかわりあっているが、すべてを把握し、正確に未来の値動きを導き出すことは、どれだけ情報を集めても不可能だ。つまり、予測可能だという前提そのものがおかしいのだ。

だが、人は未来が不確実であることを認めたくない。だから、どこかで自分なりの「納得できる筋書き」を作ろうとする。そうしないと、不安で不安でしかたがないからだ。不確実性ほど、人を不安にさせるものはない

この不安を和らげてくれるのが、予測であり、断定的な預言だったのだ。

権威が「こうなる」と言ってくれたら、それは道しるべになる。「そうなる」と言っているのであれば、それに従えばいい。あるいは「〇年〇月に株式市場は大暴落する」という断定的な預言があれば、みんなそれを信じているので安心して売れる。(次ページに続く)

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