持続可能な社会実現のために欠かすことができない資源ごみのリサイクル。そんな事業を巡り、渋谷区を舞台とした不正問題が発覚していたことをご存知でしょうか。ジャーナリストの山岡俊介氏が主宰するメルマガ『アクセスジャーナル・メルマガ版』では今回、「渋谷区リサイクル事業共同組合」の加入業者が20年以上にわたり手を染めていた区への過剰請求行為の手口と、この問題の告発者が受けた信じ難い仕打ちを紹介。さらにかような不正を許し続けてきた背景を白日の下に晒しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:東京都渋谷区の資源ごみ回収巡る不正──告発者が組合追放に。背後に、創価学会人脈による事件隠ぺい重大疑惑
発覚した創価学会人脈による事件隠ぺい疑惑。「渋谷区資源ごみ回収」を巡る不正問題の背景
「渋谷区リサイクル事業共同組合」(東京都渋谷区)という中小企業等協同組合法に基づく事業協同組合がある。
同組合は1998年に設立され、東京都渋谷区内の一般家庭から出る資源ごみ(びん、缶、古紙)の回収(全体の約30%)を行い、それをリサイクル業者に持ち込む仕事を渋谷区から委託され、同組合加入の10業者ほどで行っている。
ところが、同組合に加入している「江戸川渡辺商店」(東京都江戸川区。正式な社名は「渡辺商店」だが、後出のように同名会社が組合内に存在するのでこう表記する)は20年以上前から処理費用の過剰請求をしていることが発覚した。2020年初めのことだ。
江戸川渡辺商店を始めとする組合加入業者は、回収した資源ごみをリサイクル施設に持ち込む際、アルミ缶、スチール缶、新聞、雑誌、段ボールなど毎に単価が異なるので各計量し、それに応じて換金されるが、これら資源ごみは渋谷区の財産で、全額、渋谷区に納められることになっている。
その代わり、組合加入業者は、リサイクル施設に持ち込んだ各資源ごみの重量に応じ、渋谷区から組合を通じて処理費をもらうという仕組みだ。
ところが、江戸川渡辺商店は缶類でいえば、単価の高いアルミ缶の比率を少なく申告(逆にいえば、単価の安いスチール缶を多く申告)し、その分、渋谷区から多くの処理費をもらっていた。
(*一般にアルミとスチール缶の比率は半々だが、江戸川渡辺商店はアルミが25%ほどに過ぎない)
なぜ、そのことが発覚したかというと、当時、組合加入の「信太商店」(東京都渋谷区)代表で、同組合の専務理事兼事務局長になったばかりの信太裕介氏は、区との間の会計記録を確認する中で、江戸川渡辺商店記載のアルミ缶とスチール缶の比率が、他の組合加入業者に比べ、著しくスチール缶の比率が多いことに気づいたからだ。なぜ、そういう差が出るかというと、江戸川渡辺商店は処理費を多くもらうため、計量を行わず、いつもスチール缶につき高い比率を付けていたからだ。
伝票が廃棄されているので10年前からの分しか追えないが、結果、渡辺商店の“不当利得”は2,100万円になることがわかった。
これは犯罪に抵触し得る行為だ。
そして、当然、この2,100万円は渋谷区に戻すべきと思うのだが、組合の代表で、不当利得を得た渡辺商店と同名の加入者「渡辺商店」(東京都品川区)代表の渡辺伸之氏は、なぜか、その2,100万円を渋谷区ではなく組合に戻し、しかもその2,100万円を加入業者間で分け合うことを言い出し、区に戻すべきと正論を主張した組合専務(当時)の信太氏と対立。
結局、この対立の末、信太商店は2023年9月の組合臨時総会で除名される。









