狂乱の日経と読売、腹をくくった『サンデー毎日』。“石破おろし”をめぐって真っ二つに割れるマスメディアの暴論正論

th20250902
 

石破氏の進退を巡り、意見対立がより鮮明となっている自民党内。その構図はメディアにおいても例外ではないようです。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野孟さんが、「石破おろし」推進派と「石破続投」支持派それぞれの主張を紹介。その上で、どちらがより的確に現状を捉えているかについての判断を記しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:頓挫寸前の「石破下ろし」妄動/『サンデー毎日』と『月刊日本』は「石破続投」断固支持!

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

「石破おろし」妄動は頓挫寸前か。「石破続投派」の至極真っ当な主張

石破茂首相が自民党内の「石破下ろし」の荒波を乗り切って続投への道を切り開くことができるかどうか。今週2日の両院議員総会での参院選総括の取りまとめから、来週8日の総裁選前倒し実施の賛否の記名式による書面提出までのこの1週間で命運が決する。

老獪な森山幹事長が打ち出した新ルール

このうち参院選総括は、大声で石破の責任を追及する元気のいい若手の発言なども出るだろうが、自民党大敗の最大の原因は派閥ぐるみの違法な裏金づくりの横行や、企業・団体献金を継続するための法の抜け穴の温存など、何年経っても変わらないこの党の金権体質への有権者の嫌悪感にあったことは明らかで、その筆頭の旧安倍派や旧茂木派や麻生派などが「だから石破は引責退陣せよ」と言っても、天に唾するようなことになってしまうので、その場で石破体制がひっくり返る様なことは起こりにくい。

そこで焦点は、次の総裁選前倒しの賛否確認に移る。ここでは、前倒しに賛成(ということはつまり石破退陣賛成)を理由の如何を問われずに表明することが出来るので、金権派閥の議員らも安心して賛成票を投ずることが出来るはずだと思われたのだが、そこは森山裕=幹事長の老獪さ、「前倒しに賛成した議員の氏名を公表する」という新ルールを打ち出した。

これでは、石破続投となった場合にポストにありつくことはまずあり得ないし、次の選挙で落ちる可能性さえ増すわけだから、余程の信念と覚悟なしには前倒し賛成に回ることは出来ない。参院選直後にフライング気味に飛び出した「石破下ろし」運動は早くも頓挫寸前に追い込まれていると言える。

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