狂乱の日経と読売、腹をくくった『サンデー毎日』。“石破おろし”をめぐって真っ二つに割れるマスメディアの暴論正論

 

日経と読売が髪を振り乱して張る「反石破キャンペーン」

保守よりの日経や読売は、このような展開が面白くないのだろう、「執行部はおかしい」という論調を繰り出している。日経8月31日付第5面の無署名記事(こういう主観的記事は署名入りで責任を明らかにして書いた方がいいと思いますけどね、卑怯に見えてしまう!)は、冒頭こう書き出す。

▼自民党執行部が党に分断をもたらしている。総裁選の前倒しに関するルールづくりや参院選大敗の総括を事実上主導し、石破茂首相の進退を巡る党内の溝を深めている。挙党体制の構築が難しくなり、さらに世論の支持を失うリスクがある。

▼自民党の森山裕幹事長を執行部の判断には党内から「首相続投という目的に傾きすぎだ」との声が上がる。……

何を戯言(たわごと)を言っているのか。「自民党執行部」とは石破総裁が選んだ執行部で、それが前倒しや参院選総括を「事実上」も何も「主導」して、「首相の続投という目的」を達成しようとするのは当たり前じゃないか。その執行部を支えようとせずに「石破下ろし」を仕掛け「党に分断をもたらしている」のは反石破の人たちだろうに。

氏名も名乗らず、誰の立場に立っているのかも明示せず、こういう「傾きすぎ」の記事を出して読者を惑わせるのは、誠によろしくない。

読売は、参院選翌日に「石破退陣へ」の号外までばら撒いたことについて社長自らが官邸に出向いて石破に謝罪したはずだが(閑中忙話8月25日の項を参照)、当の政治部はむしろそれに反発しているらしく、8月31日付第一面トップで「臨時総裁選『賛成』128/『反対』は33」という同社独自調査の結果を掲げ、第二面で「政務三役(に)賛同広がる/大型選挙連敗『責任明確に』」と6段で解説した。

日経も読売も、「石破下ろし」頓挫を何とか回避すべく髪振り乱す様となりつつあり、この1週間の両紙の論調を注意深くウォッチしていく必要がある。

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