魚を食べる人は“うつ病リスクが半減”は本当だった。現役医師も驚いた25年の追跡で判明の「効果」

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私たちの食卓に身近な「魚」。健康のために良いとは聞くけれど、「心の健康」にまで影響していることをご存じでしょうか。メルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』著者で糖尿病専門医の江部康二先生が今回紹介するのは、国立がん研究センターと慶応大学の研究チームが行った25年間の疫学調査の驚くべき結果です。

魚をたくさん食べる人は、うつ病リスク半減。疫学調査結果

以前、毎日新聞のサイトに、「魚介を多く食べる人は、そうでない人と比べてうつ病の発症率が半減する」という興味深い記事が掲載されました。

国立がん研究センターと慶応大のチームによる疫学調査結果です。

青魚に多く含まれる「オメガ3脂肪酸」による予防効果が考えられるそうです。

具体的にはオメガ3脂肪酸に分類されるエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサペンタエン酸(PPA)が多いと発症率が低くなる傾向がありました。

私は、糖尿病だけでなく生活習慣病の患者さんには、スーパー糖質制限食を奨めることが多いのですが、常々、魚と肉を半々くらいでとお話ししています。

勿論、私自身もそれを実践しています。

日本人はもともと、魚の消費量は世界一でした。

例えば、水産庁の統計(2007年)によれば、人口100万人以上の国の中で、我が国の1人当たりの食用魚介類供給量は世界一だそうです。

また、各国の国民1人当たりの魚介類供給量と平均寿命の関係をみると、魚介類供給量が多い国ほど平均寿命が長いようです。

日本が世界有数の長寿国なのも、魚食大国の影響があると思われます。

このように、魚介類をしっかり摂取すると心身ともに元気になるようです。

しかし、近年魚貝類の摂取量が徐々に減少していて、平成18年(2006年)には初めて肉類の摂取量が魚貝類を上まわりました。

政府の「2015年度水産白書」によると、2014年度の国民1人当たりの年間水産物消費量は前年度比0.1キロ減の27.3キロと、ピークの2001年度(40.2キロ)から約3割減少し、1960年代前半と同程度まで落ち込んでいることがわかりました。

皆さん、魚介類をしっかり食べて、心身共に健康度を高めたいものですね。

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(財)高雄病院および(社)日本糖質制限医療推進協会 理事長。内科医。漢方医。京都大学医学部卒、同大胸部疾患研究所等を経て、1978年より医局長として高雄病院勤務。2000年理事長就任。高雄病院での豊富な症例をもとに、糖尿病治療、メタボ対策としての糖質制限食療法の体系を確立。自らも二型糖尿病であるために実践し、薬に頼らない進行防止、合併症予防に成功している。

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