Xで600万ビューの大バズリ。“湖西市いじめ隠ぺい放置事件”で静岡県教育委員会が被害者に突きつけた「のり弁回答」の呆れた内容

 

「犬猫でもわかるレベル」で解説しても曲解する湖西市

2つ目は、すでに、湖西市のいじめ第三者委員会の設置プロセスは、いじめ防止対策推進法(法第28条)のみならず、文科省のいじめの重大事態に関するガイドラインに違反していた。これについては、メール等のやりとりでも明らかで、静岡県教育委員会や文部科学省から指導を受けていたのである。そして、この指導の意味を十分に理解できなかった当時の教育委員会事務局は、初歩的なミスを連発していた。

この際の被害側の支援団体は、いわゆる学校寄りに変節してしまった今は無きいじめ被害支援団体であり、この団体については当時から多くの問題が発生していた。算数ができればその対応数に無理があることはわかるというほど嘘を公言し、被害支援と言って入りながら、支援をせず対立する学校側の支援をしていた。

つまり、専門性のない人たちが、恰も専門性があるようになんとなくやっていただけで、専門的に見れば、穴だらけのハリボテ状態だったのである。

これについて、後日、専門家が検証すれば、不十分な調査の他、その調査委員会構成等についてや複数のガイドライン違反を溜息まじりに容易に発見できてしまうだろうことから、結果、再調査をしなければならない要件となるとして検証委員会を提案したのだ。

さて、実際のところ、影山前市長は、検証委員会は設置開催するのだとして公然に発表し、新聞テレビの取材にも応じていた。そして、順調に設置に向けて話しておりますと答えていたのだ。

事実、検証委員会設置のための条例案すら被害側は提示されている。

しかし実際は、申し入れをしても担当課は話し合いになかなか応じず、やっとの打ち合わせとなっても、頓珍漢なことを言い出し、法理解が出来ていないというより日本語をきちんと理解できていないレベルであったから、私は犬猫でもわかるレベルに解説のレベルを下げて説明をする事態になるなど散々であった(つまり犬に「お手」を教えるレベル)。

さらに話の曲解は著しかった。

例えば、いじめの第三者委員会の委員選定には、職能団体の推薦が必須である。職能団体とは、弁護士さんなら弁護士会とか臨床心理士さんなら心理士会などが当たる。私も様々な自治体の第三者委員会の委員経験があるので、その実は知っているが、自治体毎に報酬がまず異なる。自治体は戦後まもなくできたであろう激安の報酬基準をしか持っていなかったりするから、びっくりする金額を何の悪気もなく提示してくるのだ。やればやるほど、損害が出るというのが実際のところだ。

一方で、事前資料などの読み込み物などは、分厚い少年漫画雑誌程度の厚みがあり、字でびっしりな上、決まったフォーマットでもなく読みづらい。つまり、仕事量の異常な多さの割に専門家に対して自腹で働け的な報酬帯、交通費すら自腹というケースも、その割に社会的な意義は大きく責任は重いのである。

ワークライフバランスでキレている専門家の先生方には、このあたりにもぜひキレて欲しいところだ。

そして一番の問題は、似非専門家は比較的多くいるものの、本物の専門家は少ない。特にオールラウンダーはごく一握りであるから、様々な要望を満たすとなると、委員になって欲しい専門家は限られ、そこに集中することになる。

つまり、委員の成り手が異常に少ない環境の中、検証委員会をする決定を市長がしたのに、全く職能団体に問い合わせをしないのだ。

一方職能団体は、報酬面や仕事量などの条件提示を求めるケースが多く、常軌を逸した自治体の奉仕するのが当たり前の条件には、その段階で職能団体が断るというケースもあり、世間知らずの担当者に、職能団体に問い合わせ、私は現状を知るように促していた。

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