「キャッチボール」が全くできぬ信用できない役所の面々
真剣に話しても浮世離れした担当らは、オバケが出るぞと言われた程度の対応であったことから、「こども家庭庁にいじめ調査アドバイザーがいるはずだから、そのあたりにでも、現状の職能団体の受け入れ状況でも聞いてみたらどうだ」と告げた。
すると…、彼らは、「こども家庭庁に問い合わせたら、検証委員会は法要件にないから無理だって断られた」と自信満々に答えたのだ。
検証委員会が、いじめ防止対策推進法に無いことはそもそも相互に理解した上でのことである。だからこそ、設置根拠となる条例案を作ったのだ。キャッチボールは全くできない、信用できない人たちだと思うわけだ。
一方、第三者委員会の検証委員会は、北杜市の「東日本大震災被災者いじめ事件」の第三者委員会の後に、特別調査委員会として山梨県が作っている。これは私もオブザーバー兼被害側の支援者として初めから最後まで参加していたからその経緯を全て知っている。
さて、そんなこんなでも市長がその職責において、しっかりと市民と約束し、マスコミでも発表して、取材にもやります、進めていますと公言したことである。
さすがに、これは破らないだろうというのは、当たり前のことではないだろうか。
だから、地道に、話をしましょうと言って2年以上も待ったのだ。
被害保護者のコメント 「2年以上待たされて検証委員会はやらない。再調査もしない。(娘は)苦しんでいるのに、それを市の関係者がちゃんと調査しないのは納得がいかないです」
田内市長のコメント 「文科省のガイドラインにのっとった調査が適切に行われ、大きな瑕疵はなかった」
2025年8月14日、何もしません通告の会は僅か1時間。
被害側の主張にはことごとく回答せず、一切の説明もしなかった。
「いじめ探偵」が証明する湖西市の瑕疵
では、私が市の瑕疵を1つ1つこの誌面で証明する。
まず、田内市長のいう「文科省のガイドライン」とは、文部科学省が令和6年8月に改訂した「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」のことである。
本来は発生時の旧ガイドラインとなるが、話しぶりから考察すると、改訂版ガイドラインの事かと思われる。
特に問題となっていたのは、下記の点だ。
極めて酷いいじめが起きた場合、通常のいじめ対応ではなく、重大事態いじめとしての対応が求められる(いじめ法28条)。湖西市いじめ隠ぺい事件は、この重大事態いじめに当たり、第三者委員会が設置されることになった。この設置においては、湖西市が独自に決めたのではなく、逃げ回った挙句、静岡県、文科省から法律に従えと指導を受けた。
さて、第三者委員会を設置するにあたっては、調査主体となる湖西市教育委員会は、6つの項目の説明を予め、被害側にしなければならない。
新ガイドラインでは6項目説明は2段階となり、いずれも、「事前」に行うことになっている。
1段階:重大事態に当たると判断した後速やかに説明・確認する事項
- 重大事態の別・根拠
- 調査の目的
- 調査組織の構成に関する意向の確認
- 調査事項の確認
- 調査方法や調査対象者についての確認
- 窓口となる担当者や連絡先の説明・紹介
2段階:調査組織の構成や調査委員等調査を行う体制が整った段階で説明する事項
- 調査の根拠、目的
- 調査組織の構成
- 調査時期・期間(スケジュール、定期報告)
- 調査事項・調査対象
- 調査方法(アンケート調査の様式、聴き取りの方法・手順)
- 調査結果の提供
旧ガイドラインでは、2段階目の6つの項目を「6項目説明」と呼び、調査の「事前」に必ず説明するようにとされていた。
理由はごく単純だ。中立公正な第三者委員会を行うにあたり、この6つ程度の項目は、当然に事前に公表できるものであり、これすら決まらず調査を進めることは、いったい何の調査なのかが不明瞭であるからだ。
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