世界のメディアも「中国と戦争をしたがっている過激な極右政治家」と危険視する高市首相の支持率が上昇してしまう日本のバカさ加減

 

どんなに国益が損なわれようとも発言を撤回しない首相

高市首相の「存立危機事態」発言に関しては、一部に肯定的な見方をしている人たちもいます。しかし、そもそもこの発言は、そうした一部の「自分の支持層」へのリップサービスとして、高市首相がついウッカリと口を滑らせてしまったものであり、その結果、日本は国益を損なうことになったのです。

世界のメディアは、日本の新しい女性リーダーが中国と戦争をしたがっている過激な極右政治家であると報じ、旧日本軍の軍服を着た高市首相の風刺画や、戦争という泥沼に飛び込もうとしている高市首相の風刺画などを紙面に掲載したのです。

さらには、高市首相の発言によって、中国で暮らしている日本人の身に危険が及ぶ可能性があるとして、北京の日本大使館が約9万8,000人の在中日本人に警告メールを一斉送信するところまで来てしまったのです。中国政府から批判された時点で、トットと謝罪して発言を撤回していればこんな大ごとにはならなかったのに、どんなに日本の国益が損なわれようとも、どんなに日本人が危険に晒されようとも、意地でも発言を撤回しない高市首相。

これでは耳まで真っ赤にして「妻や私が森友学園に関与していたら私は総理も議員も辞める!」と叫んだ安倍元首相と目クソ鼻クソではありませんか。

高市首相は例の奈良公園の鹿の問題にしても、最初は「外国人が奈良公園の鹿を蹴っているという情報があった」と騒いでいたのに、野党から「その情報は排外主義を煽るために拡散されたネット上の真偽不明のものなので、発言は撤回すべき」と指摘されると、突然「外国人による鹿の虐待は私が体験したことなので撤回はいたしません!」と言い出した高市首相。

小学生の時、誰かから聞いた話だったものがいつの間にか自分の体験談に変わっちゃう大嘘つきがクラスに1人いましたが、大人になっても、日本の首相になっても、こんな小学生レベルの嘘をつく人がいただなんて、見てるこっちが恥ずかしくなって来ます。

ま、それはともかく、たとえどんな思想信条を持っていようとも、仮にも日本の首相に就任したのであれば、もはや公的な場での発言は「個人の発言」では済まないのです。そのため、自分の思想信条はいったん収め、「日本の首相」としての立場で発言するのが最低限の常識です。それなのに、そんなことも分からないなんて…。就任から1カ月も経たないうちにこれでは、この先が思いやられます。

高市首相は、こうした外交面の失敗だけでも完全に落第点なのに、国内に向けても、7月の参院選で非改選組だった裏金議員の佐藤啓氏に官房副長官を任命するという国民をバカにしまくった人事を強行し、野党だけでなく自民党内からも批判の声が挙がりました。

しかし高市首相は、野党からの「交代させるべき」との申し入れに頑として応じず、参院の審議を停滞させているのです。これらは一例ですが、この3週間で高市首相がやったことは、あたしから見ると日本にとってマイナスのことばかりです。

さらに言えば、自民党の都合で7月の参院選後から10月の高市内閣発足まで3カ月半にも及ぶ政治空白が生まれてしまいましたが、この7月~9月期の実質GDPは前期と比べて0.4%のマイナスで、年率に換算すると1.8%の減少となったのです。

これは、岸田政権下で能登半島地震が発生した2024年1月~3月期から6四半期ぶりのマイナス成長です。もちろんこれを高市首相のせいにするつもりはありませんが、自民党による長期間の政治空白に何の責任もないとは言えません。

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