世界のメディアも「中国と戦争をしたがっている過激な極右政治家」と危険視する高市首相の支持率が上昇してしまう日本のバカさ加減

 

「全国電話世論調査」に抱かざるを得ないある疑念

そして、極めて残念なことに、国民のほうも「喉元すぎれば何とやら」という忘れっぽい人たち、自分さえ良ければ他のことなどどうでもいいという人たちが大半なので、今も森友学園問題の解明のために尽力している人を見ると「まだやってんの?」と思ってしまうようになったのです。

歴代の自民党の首相は、こうした現代の日本人の傾向を熟知しているため、常に問題を「先送り」し続け、もう後がないところまで来ると「看板の掛け替え」をして、国民がその問題を忘れてくれるように国民感情を操縦して来たのです。

今回の「石破おろし」からの「日本初の女性首相誕生」という茶番劇は、まさに国民に裏金問題を忘れさせるための壮大なシナリオであり、その結果が「裏金問題への自民党の取り組みは評価できないが、その裏金議員を数多く登用した高市内閣は支持する」という民意の「ねじれ現象」なのです。そして、その証拠が、自民党の政党支持率に顕著なのです。

今回、あたしは冒頭で、第2次安倍内閣以降の発足時の内閣支持率を列記しました。戻って確認するのが面倒な人のために再掲しますが、第2次安倍内閣が54%、菅内閣が62%、岸田内閣が58%、石破内閣が49%、そして現在の高市内閣が68%です。それなのに、嗚呼されなのに、それなのに…と、またまた五七五でツッコミを入れてしまいますが、この内閣発足時の「自民党の政党支持率」を見てみると、以下のようになっていたのです。

内閣発足時の自民党の政党支持率

  • 第2次安倍内閣:37.8%
  • 菅内閣:40.8%
  • 岸田内閣:41.2%
  • 石破内閣:35.1%
  • 高市内閣:30.7%

第2次安倍内閣から石破内閣までは、内閣支持率が高ければ自民党の政党支持率も高くなり、内閣支持率が低ければ自民党の政党支持率も低くなる、つまり連動していました。公明党との連立政権とは言え、内閣の中心は自民党でしたから、それは当然の動きです。

しかし、今回の高市内閣だけは、内閣支持率と自民党の政党支持率が連動していないのです。過去5つの内閣で最高の支持率を打ち出した高市内閣が、自民党の政党支持率では最低なのです。

すべての閣僚が自民党議員で、その中には多くの裏金議員が混じっているのに、そんな内閣でも「日本初の女性首相」がトップであれば、多くの人たちは支持してしまうのです。しかし、やっぱり裏金議員は許せないので、自民党は支持しません。自民党の総裁である高市早苗氏が首相をつとめる内閣は支持しても、自民党は支持しない。そういう人が多数派なのです。繰り返しますが、あたしには意味が分かりません。

松田優作さんも草葉の陰で「なんじゃこりゃーーー!!」と叫んでしまいそうですが、しかし、実はこれこそが「参加者は募ったが募集はしていない」という安倍イズムの発露なのです。そして、そんな絵図を描いたのが「安倍首相の後継者」を自負し、旧統一教会の機関紙である『世界日報』に何度も登場して来た高市早苗首相だったのです。

…と、ここまで書いて来て今さらですが、最後に1つの可能性の話をしましょう。何故かというと、そもそもの話として、あたしは現在の日本の全国電話世論調査に疑念を持っているからです。

たとえば、今回メインに取り上げた共同通信の世論調査は、回答したのが固定電話424人、携帯電話622人の計1,046人なのです。これは日本の人口の「0.0000083%」です。これを日本全体の民意のように報じるのってどうなのでしょうか?

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