高市首相「存立危機事態」発言が中国に与えた“攻撃”の大義名分。日中の文化交流まで崩壊させた“最悪の連鎖”の責任を誰が取るのか?

 

日本人歌手のパフォーマンス中に突然落とされた照明

そして、この発表と前後して、同じく北京で11月26日に開催される予定だったジャズピアニスト、上原ひろみさんのライブも、突然の中止が発表されたのです。このライブの運営を手掛けていた中国企業は「不可抗力の要因により中止します」とだけ説明し、その「不可抗力」の内容には触れませんでした。

続いて、11月22日には、フォークデュオの「ゆず」が公式サイトで、「YUZU ASIA TOUR 2025 GET BACK」と銘打った中国でのライブ、12月3日の香港と6日の上海と8日の台北の全公演を「やむを得ない諸事情」で中止すると発表しました。

また、日本と同様に中国でも古くからのコアなファンが多い人気アニメ『美少女戦士セーラームーン』のミュージカル『Pretty Guardian Sailor Moon The Super Live』も、11月下旬から12月上旬にかけて、北京、杭州、上海の3都市で予定されていた全18公演がすべて「やむをえない事情」によって中止となりました。

他にも、11月29日と30日に6年ぶりに「上海LIVERSE音宇宙芸術センター」で開催予定だったアニソンイベント『リスアニ!LIVE SHANGHAI 2025』も「不可抗力の事情」により中止となりました。

こうして日本人アーティストの中国公演が次々と中止になって行く中で、予定通りに開催されたイベントもありました。11月28日と29日に上海での開催が予定されていた「バンダイナムコフェスティバル2025」です。

しかし、イベントが無事に開催されたと思ったとたん、人気アニメ『ONE PIECE』の主題歌などで知られる歌手の大槻マキさんがステージで歌唱中、突然、照明が落とされて音楽が止められ、強制的にパフォーマンスを終了させられるという事件が起こったのです。大槻マキさんの公式サイトには「事務所スタッフ」による以下の説明が発表されました。

28日のステージにつきましては、パフォーマンス中ではございましたが、やむを得ない諸事情により急遽中断せざるを得ない状況となってしまいました。

また、29日の出演につきましても、同様の事情により中止となっております。出演を楽しみにお待ちくださっていたファンの皆さまには、急なご案内となりましたことを深くお詫び申し上げます。

11月28日(金)、11月29日(土)「バンダイナムコフェスティバル2025」(大槻マキofficial site)

これまた「やむを得ない諸事情」という歯に何かが挟まりまくった表現ですが、たとえ「やむを得ない諸事情」が発生したとしても、普通はその歌を歌い終わるまで待ち、次の歌からステージに上げなければ良いのです。大勢の観客の観ている前で、歌唱中に照明と音楽を止めて強制的に終了させるなんて、完全に圧力をアピールするための意図的な妨害工作です。

そして、29日に同イベントに出演予定だったアイドルグループ「ももいろクローバーZ」も「右へ倣え」で出演中止を発表したのです。

こうした異常な流れの中、何よりも大きく報じられたのが、11月29日に開催される予定だった浜崎あゆみさんのコンサートツアー「ayumi hamasaki ASIA TOUR 2025 A I am ayu -ep.II-」の上海公演の突然の中止でした。

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