二つの米国、二つのビーチ・ボーイズ。村上春樹の「村上ラジオ」ブライアン・ウイルソン特集からの静かな問い

 

この眼差しは、米国を見る時のそれとアナロジカルな関係があるのではないかというのが本日の論点。

年始早々の米国の暴挙は、グリーンランドの所有やコロンビア、キューバ、メキシコなど、自分の意にそぐわない国への「脅し」のような言及が相次ぐ。

寛容とは程遠い、暴君の振る舞いは、これもまた、民主主義国家の姿であるとの認知を迫ってくる。

ビーチ・ボーイズは人気絶頂でブライアンが疾患により、ライブに参加せずにレコーディングに専念にする時期が続くが、その際のアルバムは低迷期と位置づけられている。

しかし低迷期にあって、音楽評論家の中山康樹さんは1972年冬と73年夏のツアーにおけるライブアルバム「The Beach Boys In Concert」を「さまざまな問題をかかえていたのにかかわらず、まるで別のグループのような力強さと自信で疾走する」と評価し、「ビーチ・ボーイズには、少なくともふたつの側面、そしてそれにともなってふたつの歴史がある」と整理した。

この二面性は直接的には「ライブ」と「レコーディング」であるが、ライブの中心だったマイク・ラブとは政治信条が違うようで、事実、1980年代にブライアン個人は、バンドが共和党に保護される「ビーチ・ボーイズ─ホワイトハウス連合」なるものに慎重で、レーガン政権とつながって見られることを嫌った。

「超党派っていうのは、どちらの側にもつかないってことさ」との発言もある。

番組は「番組全体が彼の思い出にささげられます。今回はビーチ・ボーイズ時代のよく知られた曲は思い切ってそっくり外して、彼がグループを離れてソロ活動に移ってからのものに絞って選曲しました」。

ここで紹介されたのはブライアンのソロ「「Love And Mercy」。

「愛と慈(いつく)しみ。ブライアンはそういうものを真剣に必要としていたんですね。心を癒す美しいメロディーです」。

ブライアンが必要としていたものを、今、多くの方が必要と感じている、と思いたい。

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障がいがある方でも学べる環境を提供する「みんなの大学校」学長として、ケアとメディアの融合を考える「ケアメディア」の理論と実践を目指す研究者としての視点で、ジャーナリスティックに社会の現象を考察します。

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