コーチングスクールには、「怪しい」「胡散臭い」「やめとけ」といったネガティブな声が散見されます。自己投資としては安くない費用がかかるからこそ、こういった声は懸念点となります。
結論から言えば、こういった声は一部正解です。コーチング業界には国家資格がなく、誰でも開業できる業界構造にあるため、低品質なサービスや詐欺まがいの商法が紛れ込んでいるのが実情です。一方で、国際基準を満たした健全なスクールも確実に存在します。
本記事では、コーチングスクールにまつわるネガティブな噂の原因を整理し、悪質な事業者にカモにされないための「安全なスクールの選び方」を解説します。感情的な噂に惑わされず、あなたが本当に学ぶべき場所なのかを冷静に判断するための指針として参考にしてください。
コーチングスクールは怪しいサービスなのか

結論から言えば、コーチングスクールという業態そのものは怪しいものではありませんが、業界の構造上、詐欺的なサービスが紛れ込みやすいのは事実です。
コーチングは本来、対話を通じて相手の潜在能力を引き出し、自己実現や課題解決を支援する手法です。スポーツやビジネスの現場でも活用され、ICF(国際コーチング連盟)の認定制度によって一定の質が担保されたプロコーチも世界中に存在します。
しかし、医師や教師のような国家資格が無いため、法的な参入障壁はありません。ゆえに誰でも「プロコーチ」や「スクール運営者」を名乗ることができます。この性質を悪用し、低品質なサービスや情報商材を「コーチング」と称して高額な値段で売りつける悪質な事業者が一部に存在します。これが業界全体の悪評(怪しい・やめとけ等)に繋がっている所以です。
実際、この問題は日本国内に限った話ではありません。アメリカの連邦取引委員会(FTC)も、ビジネスコーチングプログラムを装った詐欺について警告文を公表しており、「収入保証」や「成功事例の過度な強調」を行う事業者には注意が必要であると国際的にも警鐘が鳴らされています。
コーチングスクールが「胡散臭い」「やめとけ」と言われる理由

コーチングスクールに対して、否定的な声が上がる主な理由は次のとおりです。
- 資格不要で誰でも「コーチ」を名乗れるから
- コーチの能力にバラつきがあるから
- 高額費用に見合う効果を感じられないから
- 悪質なコーチングスクールがあるから
資格不要で誰でも「コーチ」を名乗れるから
前述のとおり、コーチング業界には国家資格は存在しません。極端な話、誰でも今日から「コーチ」を名乗ってビジネスを始めることができてしまいます。
日本ではコーチング関連の資格はすべて民間資格で、各団体や企業が独自の基準で認定を発行しています。つまり、資格を取得しなくてもコーチとして活動すること自体は法律上は自由です。
極端な例では、数日間のセミナーを受けただけで「○○認定コーチ」を名乗り、高額な料金でコーチングビジネスを始めるケースも見られます。
このように国家資格による品質保証がないため、消費者は「誰がプロで、誰が素人なのか」を見分けることが非常に困難です。この「信頼性の低さ」が、コーチング業界全体の胡散臭さを助長しています。
コーチの能力にバラつきがあるから
資格が不要であるため、コーチや講師のスキルレベルには極端なバラつきがあります。
コーチング資格には、ICF(ACC/PCC/MCC)認定のように国際的かつ権威性のある資格も存在しますが、それらを取得するには数百時間の訓練や実践経験が求められます。そうした厳格な基準を満たしたプロもいる一方で、何の資格も研鑽もないままコーチを名乗る人も混在しているのが現状です。
本来、コーチングには高度な傾聴力や質問力、承認力、心理学の知見などのスキルセットが必要ですが、これらの大前提スキルが欠如したコーチにあたった場合、「単なるおしゃべりだった」「説教されただけだった」という不満が生じます。これが「効果がない」という口コミに繋がる原因にもなっています。
高額費用に見合う効果を感じられないから
コーチングスクールは総じて費用が高額ですが、その割に効果を感じられない人が多くいます。
コーチングスクールの料金は、総額で30万円〜100万円を超えるケースも珍しくありません。例えば、英語コーチングスクールでは2〜3ヶ月で40〜60万円程度が相場です。月額にすると15万〜20万円前後になるわけですが、これは一般的な英会話教室やオンライン英会話の数倍以上の値段です。
また英会話教室であれば「TOEICの点数が上がった」など客観的な成果も見えやすいですが、コーチングで得られる「コミュニケーション能力」や「自己肯定感」は数値化しにくいものです。ゆえに目に見える成果を感じられないことが多く、「高すぎる」「騙された」と感じてしまう人が多くいます。
悪質なコーチングスクールがあるから
「誰でも稼げるようになる」といった、甘い言葉で勧誘する悪質なスクールの存在も見過ごせません。
国民生活センターには、SNS広告などをきっかけに「副業で稼ぐためのサポート」として高額な契約を結ばされたものの、実際には中身のないマニュアルが送られてきただけ、といった相談が多数寄せられています。
他にも、初回無料を謳い文句に高額な契約を結ばせるもの、コーチングを入口にマルチ商法や宗教団体へ誘導するもの、人格否定や洗脳まがいの手法を用いるもの等々、特定商取引法上の問題になることも多く、こうしたトラブルが「コーチング=怪しい」というイメージを定着させています。
コーチングスクールを選ぶ際のポイント

怪しいスクールやコーチを避け、意味のある学習にするためには、以下の3点を必ず確認してください。
- ICF認定スクールであるか
- 妥当な料金体系であるか
- 口コミ・評判に問題がないか
ICF認定スクールであるか
最も確実な判断基準は、国際コーチング連盟(ICF)認定のスクールであるかを確認することです。
ICFは世界最大級のコーチング組織であり、非常に厳格な倫理規定と能力基準を定めています。なお、ICF認定資格には3つのレベルがあり、初級レベルがACC(アソシエイト認定コーチ)、中級がPCC(プロフェッショナル認定コーチ)、上級がMCC(マスター認定コーチ)です。
いずれのレベルも取得には「○○○時間以上のコーチング教育」「○○○時間以上の実戦経験」といった前提条件があるため、コーチングの品質は十分に担保されていると言えます。逆に、マイナーな協会認定しか掲げていないスクールには注意が必要です。
妥当な料金体系であるか
次に重要なのは、料金体系が適正であるかどうかです。
前述のように、コーチングスクールの費用相場は数十万円と高額であるため、内容と価格のバランスを見極める必要があります。具体的には、カリキュラムのボリューム(期間やセッション回数)や得られるサポート内容に見合った料金かを確認しましょう。
優良スクールであれば、公式サイトにコースごとの具体的な学習内容や時間数、料金が明確に記載されています。入学金や教材費の有無、分割払いの可否なども事前にチェックしましょう。不明瞭な追加料金が後から発生しないかも大切なポイントです。
逆に注意したいのは、高額なプランを強引に勧めてくるケースです。例えば、初回面談で「あなたには50万円コースが最適です」と即決を迫ってくるような場合は慎重になりましょう。相場とかけ離れた高額料金を請求するスクールは、それ相応の実績や付加価値が説明できない限り避けた方が無難です。
口コミ・評判に問題がないか
最後に、そのスクールやコーチの口コミ・評判を確認しましょう。
公式サイトの情報だけでなく、第三者の声を調べることで実態が見えてきます。具体的には、Twitter等のSNSで感想を探したり、YouTubeで受講者の体験談を探すのが有効です。なお、良い口コミばかりが不自然に並んでいる場合、サクラの可能性があるため注意して見る必要があります。
他に、国民生活センターの事例や「消費者庁」の公表情報をチェックすることも有効です。特に「強引な勧誘を受けた」「解約に応じてもらえなかった」「返金トラブルがあった」という口コミが散見される場合は、どんなに魅力的なカリキュラムでも関わらないのが賢明です。
コーチングスクールがハマる人・向いていない人
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向いている人 |
向いていない人 |
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フィードバックを素直に受け入れられる人 |
努力せずに成功したい人 |
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自発的に課題解決に取り組める人 |
自己分析やプライベートな話を拒む人 |
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自己振り返りが苦にならない人 |
精神的に不安定で切迫した問題を抱えている人 |
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コミュニケーションや人の成長に興味がある人 |
他者の意見を聞くより自分の話をしたい人 |
コーチングスクールで得られるものは人によって大きく異なります。
自ら主体的に変わろうとする人には有意義な場となりますが、受け身で結果を求める人には期待外れに映るかもしれません。
受講を検討中の方は自分の性格や現状と照らし合わせ、「今の自分はコーチングを受ける・学ぶ準備ができているか?」ということを一度考えてみるとよいでしょう。
まとめ

コーチングスクールが「怪しい」「胡散臭い」「やめとけ」と言われる理由は、無資格で誰でも開業できる業界構造ゆえに、低品質サービスを提供する事業者や詐欺的なスクールが混在しているためです。
しかし、ICF認定などの信頼できる基準を持つスクールを選び、自分自身の適性と照らし合わせて学ぶならば、コミュニケーション能力やマネジメントスキルを高める強力な自己投資となります。広告などでよく見る「楽して稼げる」といった言葉に惑わされず、質と価格を冷静に見極めることが第一歩です。
そして、最後に強調したいのは、コーチングスクールを利用するかどうかはあくまで「手段」であって目的ではないということです。大事なのは「自分がどう成長したいのか」「何を実現したいのか」という軸であり、スクールはそれを実現する一つの手段です。
「怪しいからやめとけ」という他人の意見も参考にはなりますが、最終的にはご自身の目的や適性に照らして判断してください。十分に調べて納得した上で受講すれば、コーチングスクールがあなたの今後の人生やキャリアにプラスになる学びを与えてくれる可能性はあります。
自分には必要だと感じたのであれば、適切にスクールを選び、ぜひ前向きにチャレンジしてみてください。









