読売記者に「解散の意向」をリークした人物の名
高市首相がもともと連立相手として望んでいたのは、国民民主党だ。「年収の壁」を178万円まで引き上げる国民民主の看板政策に合意し、新年度予算案の年度内成立に協力する約束までとりつけたのは、言うまでもなく自民・維新・国民の三党連立を実現するための布石であろう。
だが、全都道府県で候補者を擁立し「51議席」への倍増を目標とする国民民主は、容易に連立話に乗ってこない。連立に加われば、自民との候補者調整で擁立を断念せざるをえない選挙区も出てくる懸念があるからだ。むろん、支持母体である連合が反対している事情も大きい。
FNNプライムオンラインの報道によると、読売のスクープ記事が出る直前の1月9日午後、高市首相は赤坂の衆議院議員宿舎に入り、国民民主の玉木代表と会談したという。
玉木氏は「断じて会っていない」と言い、衆院解散については「経済後回し解散と言わざるを得ない。昨年12月の自民党との合意で、新年度予算案の年度内成立に協力するとしたが、前提が変ってくる」と強く批判した。
しかし、会談はあったのではないか、と筆者はにらんでいる。高市首相の目的は、再び連立入りを要請することだっただろう。自民・維新に国民民主が加われば、政権は安定する。あえて、当初予算の成立が遅れるリスクを冒してまで衆院を解散する必要はない。
玉木代表が首を縦に振らなかったため、高市首相は腹をくくったのではないか。解散総選挙に打って出て、自民単独過半数を狙うほかないと。だが、どうコトを運ぶか、高市首相にはノウハウがない。
ここで動いたのが安倍政権で首相秘書官をつとめ“影の総理”といわれた今井尚哉・内閣官房参与だといわれる。おそらく、高市首相から相談を受けた今井氏は知り合いの読売記者に「解散の意向」をリークし、記事による既成事実化をはかったのだろう。
すると、与野党の国会議員たちが慌てふためいてポスターの発注や事務所の確保に走り、他のメディアも読売に追随、総務省が各都道府県の選管に「衆院解散に伴う総選挙の執行について」と題した事務連絡をして、あっという間に日本列島は事実上の選挙モードに突入してしまった。
衆院選は1月27日公示、2月8日投開票になりそうだが、新年度予算の今年度内成立は難しく、暫定予算で対処することになってしまいそうだ。物価高対策に影響が出るのは避けられない。高市首相はどんな「大義」を掲げるのだろうか。
「Web Voice」のインタビュー記事で山田氏はこう語っていた。
「臨時国会で補正予算を通したあと、高市政権が打ち出している政策と維新との連立合意内容について国民の信を問いたいと呼びかければ、それは解散を決断するに十分な大義と言えるでしょう」
年度内の予算成立を犠牲にしてもなお十分な「大義」などありえない。だから、こういう取ってつけたようなものになる。高市首相がどれほど立派な「大義」を編み出すか、楽しみに待つとしよう。
この記事の著者・新 恭さんを応援しよう
image by: 自由民主党 - Home | Facebook









