中国は一体どこへ向かおうとしているのか?全人代の「政府活動報告」から読みとく“次の5年”

 

現状、中国経済が抱える問題を簡単に整理しておけば、まず国内では不動産市況の低迷とその影響を受けた個人消費の湿り。さらには地方政府の債務の問題、投資では過当競争の問題が挙げられる。

対外的には貿易の先行き不透明だ。「一帯一路」参加国との貿易は堅調だが、一方で地政学的なリスクも付きまとう。

3月末から4月にかけてドナルド・トランプ大統領が訪中する予定だが、対米貿易の先行きは依然不透明だとされる。

もっとも中国側は、アメリカとの関係をそれほど悲観していない。すでに5回にわたる米中貿易協議で前向きな成果が生まれ、さらに韓国での米中首脳会談で重要な共通認識に達し、関係はより安定した基盤に立ったと考えているからだ。

いずれにせよトランプ大統領の訪中が大きなカギを握ることは間違いない。

一方、視点を国内経済に移せば、その抱える問題への対処は、世界経済の行方にも直結する。

対策のベースになるのは前出・SCMPが指摘したように〈積極的な景気刺激策による拡大〉は目指さないことだ。

目先の景気刺激策より貧困対策を優先するというのは、ここ数年中国が採ってきた政策の特徴である。

実際、「報告」でも、昨年5%のGDPの伸びを達成したことと同時に「住民所得の伸び率が経済成長率と同じペース」で伸びたことを高らかに謳っている。コロナ禍前から可処分所得の伸び率を成長率と同じく重視してきた中国式「民主主義」の特徴ともいえるだろう。

「報告」の前半では、貧困脱却と貧困への逆流防止、児童の教育問題に大きな面を割いて触れている。

こうした中国の特徴を踏まえた上で消費喚起への対策はどうなるのかを見てみたい。

「報告」では「国内経済が大きな転換期を迎え、深層部の構造的な問題が顕在化しつつあり、消費と投資の成長に必要な原動力が不足した」と懸念が表現されている。

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