聞いて呆れる「第三者性が欠如」した第三者委員会
まず、学校が設置したという第三者委員会は、市教委がどんなに説明を重ねても、第三者の適格性はないと断言できる。
まず、調査委員会の構成は、当該校の教諭と校長、教頭であり、市教委が、「専門性があって第三者」だと言い張るのは、弁護士資格のある茅ヶ崎市教育委員会の職員が加わっているからなのだ。
文科省が定めるいじめの重大事態の調査のガイドラインでは、こうした構成については第三者性に問題があるとしているのだが、一般的に見ても、これに第三者性があるとは言えなし、そもそも第三者性が無さ過ぎて、そうした発想にもならないだろう。
さらに、この調査委員には、本来調査対象であるはずの総括擁護教諭も入っている。この人物は、被害男児の逃げ場を奪っていたというのだ。
まさに、泥棒が刑事で捜査をするようなものなのだ。
さらに調査範囲や調査事項も問題がある。なんと、いじめ被害件数が多いからという理由で、絞って調査をするとされているのだ。これでは実態解明にはほど遠い。
宝石店に強盗が入ったと例えると、100点品物が盗まれたけど、目録を作るのが大変だから、目立つもの20点盗まれたことにしますと言われるのとほぼ同じだ。
そんなあほな…いや事実だから仕方がない。実際に起きたのだ。
きっと、読者の皆様は、ここまで読んでもうお腹いっぱいになっているかもしれないが、酷さはまだ続く。
被害保護者によれば、調査報告書には、少なからず8つの基本情報が抜けているというのだ。この8つは、法律要件や根拠法の記載もなければ、事実経過もないし、重大事態いじめの認定日や報告日もないというもので、重要な要素がゴッソリ抜けているのだ。
この内容を、私も文科省のガイドラインをもとに確認してみたが、もはや報告書というレベルのものではないとしか評価できないものであろう。
実は、私自身も別の自治体の第三者委員を務めているが、基本中の基本で、この情報が抜けていれば、報告書の体を為さないという状態である。
一般企業で調査報告書を作成する仕事をした人であれば、新卒に教える内容やマニュアルがあるだろうが、そうした側面から見ても形式上の要件ではなく、調査の重要な要素や基本が、ゴッソリ抜けているのだ。
つまり、学校が「専門性がある、なんていったって弁護士資格持ちが委員にいるんだぜ~」といって作らせた報告書は、もはや報告書ではなく、単なる作文であったということだ。
ちなみに、報道によれば、茅ヶ崎市については2015年以降に調査委員会を設けたいじめ重大事態21件のうち、調査委員会に外部の専門家が入ったのは1件しかないということだ。
恐るべし、翔んで茅ケ崎なのだ。

一方、いじめは犯罪という機運も盛り上がっているところだ。神奈川県警は今、何かと話題ではあるが、ここではしっかり仕事をしてくれている、本件のいじめに関する暴力等の事件では、加害児童を触法少年として調べ、児童相談所通告としている。
しかし、学校と茅ヶ崎市教育委員会は、被害男児や被害保護者の意向を無視し、本来警察と連携しなければならなかったこの事件では、連携も通報も行わなかったのである。
公立校ならほぼ全てが加入している共済保険についても学校は案内も何もせず、時効が過ぎるまで放置しているのだ。
さらに驚くのは、調査委員の構成メンバーを被害側が知ったのは、調査が始まって8か月後の事であり、それはすなわち、文科省が厳守してくれと通達を出し、地方教育行政は特に公務なのだから法律は守るはずとしていた事前説明をしていないということになるわけだ。
もはや、ガイドラインも法律もここでは守らないことが常態化していたと言えるだろうし、それまで起きた酷いいじめ事件から何も学んでいないし、再発防止策もないということを意味しているだろう。
実はまだある。まだあるが、もうそろそろ新事実に入ろう。
この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ









