高市早苗「ネガキャン動画疑惑」で四面楚歌。秘書関与の“事実”を答えぬ宰相のあまりにも苦しい言い逃れ

 

物理的、権威的、主観的回避を繰り返す「トリプルガード」

高市首相の発言には、傲慢と被害意識から生まれるある種の「回避パターン」がある。

「台風対応で徹夜」「質問が70以上」などといった状況を設定し、どんなに自分が国民のために身を削っているかを訴える。「週刊誌は信用できない」「イメージ操作してきた」と情報の出所そのものの価値を貶め、それがいかに総理としての仕事の妨げになっているかを想起させる。そして、肝心な音声については「普段と違って声がハキハキしている」などと主観的な違和感を強調し、「確認のしようがない」と言って逃げを決め込む。物理的、権威的、そして主観的な回避を繰り返す「トリプルガード」である。

高市首相は「私自身の戦い方の流儀をずっと傍で見ていた秘書でございますので、週刊誌の記事を信じるか、秘書を信じるかというと、私は秘書を信じます」と言い張っている。

しかし問題は、高市首相が何を信じるかではなく、事実はどうだったのか、ということである。身内をかばうのではなく、客観的な調査を行うべきではないか。

最初は文春報道を無視していたテレビ、新聞も、国会での追及を報じる形で、この一件を取り上げはじめた。今後、問題がさらに大きくなっていく可能性があると見通したからだろう。

共同通信は6月7日、松井氏がオンライン取材に応じ、木下氏から「小泉氏を逆転するにはどうすればいいか」と相談され「ネガティブな発信」を提案したと証言していることを報じた。今月1日に行われたこの取材では、弁護士同席のもとに松井氏が動画作成の経緯を詳細に説明。共同通信は松井氏が秘書とやりとりした携帯電話のメッセージを入手し、電話番号を木下秘書本人のものと確認したという。

「週刊誌の記事は全く信用しておりません」という高市首相。では、共同通信の調査については、どうなのか。

国会では今、選挙期間中のSNSによる偽情報拡散対策として、来春の統一地方選に間に合うよう、今国会中に公職選挙法と情報流通プラットフォーム対処法を改正する方向で与野党の議論が始まったばかりである。公選法については、虚偽や事実の歪曲によって選挙の公正を害してはならないとの内容を追加することで、すでに一致しているという。

高市首相の発言を聞いていると、こうした国会の動きが、まるで他人事のようだ。まずは自陣営に持ち上がった誹謗中傷疑惑について、きちんと説明責任を果たすのが、宰相としての値打ちを高める近道ではないだろうか。

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image by: 首相官邸

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