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早晩「壁にブチ当たる」との見方もあるAI株のバブル

1つ目は、AI株のバブルです。現在地としては、既にスペースXは大型上場を成功させて、初値も初日終値も超バブル化しました。同時に、「クロード・ミュトス」で有名なアンソロピック、そして「ChatCPT」でおなじみのオープンAIも上場申請書を提出しました。

アンソロピックと、オープンAIの場合は、何だかんだ言って「目に見えないソフトウェアへの投資」を続けてきた企業ですから、「無形固定資産」があるといっても、それをどう評価するかは未知の世界。そこで、上場審査にはかなりの時間がかかると言われていますが、以前は2027年年初だろうと言われていた上場タイミングが、もしかすると2026年の秋口になるかもしれないという見方もあります。

では、スペースXだけでなく、2社も加わった「AI企業3社」が上場を成功させて、巨額の資金と市場価値を手に入れた場合、何が起きるのでしょうか。現在では、確かに大卒者の就職が厳しくなるなど、AI革命が各企業を席巻しているのは事実です。ですが、それが3社の上場によって、更に加速するのかというと、そう簡単ではありません。

まず、今どんどんAIに置き換わっているのは、知的労働の初級職です。というと、日本的な観点では事務員のリストラが加速しているというように見えますが、実際はそうではありません。消えつつあるのは、プログラマーといっても、世界観や事業観を持ちつつ開発をするエリートの「候補=エントリーレベル」です。また、金融や法務の仕事も消えつつありますが、どちらも大卒で専門職のスキルを叩き込まれたグループです。

それより下級の一般事務職までリストラの波が行っているのではありません。勿論、アメリカの場合、一般事務職は90年代からのDXでどんどん消滅しています。ですが、さすがに労働組合で守られていることもあり、工場、スーパーや公務員などの職がAI革命で脅かされているというわけではありません。

ですから、AIによる効率化といっても、そこには当面は限界があります。また、AI企業は「AIエージェント」がどんどん実用化されていると言っていますが、Aをやったら、その結果に応じてBをやり、その結果でCをやる的な「重層的な」タスク処理をする場合の「精度」は全く不十分です。AIとは結果のミスが前提であり、それが許容されるマーケティングや、デバッグ(プログラムのバグ探し)は得意ですが、あらゆる「ミスの許容されない」仕事は苦手です。

ということは、これだけ鳴り物入りで大型上場を成功させても、AI開発は必ずしも加速するわけでもないという考え方が出ています。加えて、コンピュータの脆弱性探知などの機能は「悪人の手に渡ったら大変」なレベルの過剰性能だということで、各国政府が狼狽するなど、販売の環境も整っていません。

ですから、早晩、AI株のバブルは壁にブチ当たるのではないか、そうした見方があります。AIについては、現時点で法人需要に対しては高額の課金に成功しています。ですから、しっかりマネタイズできている部分がある一方で、これが意外に早く限界に達するかもしれないのです。

スペースXの場合は、これに「有人火星探査」などという、かなり可能性の低い「夢物語バブル」まで乗せているので、相当に中身は不安定だと言えます。ですから、こうしたAI株の動向については、個人的には2つのシナリオを想定して行く必要を感じています。

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