5. 人間はAIに「飽きる」のではないか
私は、AIが今のまま進化を続けたとしても、いずれ人々はAIに「飽きる」のではないかと考えています。
初期の驚きは、やがて日常の景色になります。AIが生成した完璧な文章、完璧な画像、完璧なプレゼン。それらが溢れかえったとき、私たちの心に浮かぶのは「だから何だ?」という虚無感ではないでしょうか。
ホワイトカラー自身も、自分の首を絞めるだけのAI活用に、いつまでも積極的であるはずがありません。自らの職域を守るために、AIを否定し、距離を置く動きが出てくるのは自然な防衛本能です。
テクノロジーが進化しても、それが「自分の生活」や「幸福」に直結していないことがあることに、多くの人が気づき始めています。
画面の中のデジタルな進化よりも、今日食べる食事の質、住まいの心地よさ、そして信頼できる人との手触りのある関係。そうした「肉体性を伴う現実」に、価値の重きが戻っていくでしょう。
6. 結びに:手触りのある未来へ
AIは一過性のブームとして、やがて「背景のインフラ」へと退いていくかもしれません。それは、AIが敗北するということではなく、人間が「デジタルな虚業」の限界を悟り、現実の世界へと回帰することを意味します。
これからの時代に必要なのは、AIを使いこなすスキル以上に、AIには真似できない「現場の感覚」や「身体的な技術」、そして「説明不要の信頼関係」を築く力です。
ホワイトカラーという概念が溶けてなくなり、誰もが自分の「手」や「感性」で価値を生み出す時代。
そこには、今よりもずっと健全で、血の通った経済が待っているはずです。AIの進化に怯えるのではなく、AIが突きつけてくれた「人間にとって本当に大切な仕事とは何か」という問いに、今こそ私たちは向き合うべきなのです。
■編集後記「締めの都々逸」
「AI普及で 仕事が消える 皆一緒に ボイコット」
AIの急激な進化は、ファッションに似ています。そして、ファッションでもこれほど急激に成長すれば、必ず反動が起きて、人気が暴落します。ファッション屋の本能は、そう告げているのです。
でも、AIがブームで終わるはずがない。これは産業革命に匹敵する大変化なんだから、と自分に言い聞かせていました。
でもね、僕にとってAIの書く文章は気障ったらしくて、気持ち悪い。でも、これは好き嫌いの問題だから正解はない。僕が好きな文章をそっけなくて面白くないという人もいるはずです。それでいいんです。
でも、AIが書く文章に囲まれたら飽きるよな、と思うし、実際、ちょっと飽きてきてるんです。
これ、ファッションのピークの感じに似ている。これから暴落が始まるぞ、という警戒音が鳴っています。さて、どうなるかな?(坂口昌章)
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