AIで「勉強が楽になる」どころか真逆に?米大学で始まった「AI前提教育」への大転換で超高くなる“人間に求められるレベル”

 

AI時代の教育を再設計するプリンストン、オハイオ州立、デューク

4)プリンストンの場合「批判の対象としてのAI」

プリンストンは慎重ですが、実験の場を用意しています。マグロー教育学習センターは、学生のAI利用を構造化する試みに関心のある専任教員を募り、一年間の「AIティーチング・ラボ」を運営しています。参加者はAIリテラシーの授業案、AIを責任ある形で使う課題の再設計、ボットによる学習支援などに取り組みます。採点や教材生成へのAI利用は対象外です。

同センターが示す課題例は、AIを批判の対象にするという発想が興味深いと思います。例えば、学生が自分で草稿を書いた後に、同じ課題をAIに書かせて批判し、「AIの出力の傾向を見抜かせる」という方法論が採用されています。AIを歴史上の人物などの役に据えたロールプレイの相手にする方法も挙げられています。あわせて、AIに左右されにくい課題設計や口頭試験の手引きも提供されています。

この「ティーチング・ラボ」については、全学の教員は参加を義務づけられており、全学部の全学科で「批判しつつAIを使うことを前提」としたカリキュラムへの「総組み換え」が進んでいます。

5)オハイオ州立大学の場合「全学で取り組む」

州立の大規模大学ではAIに関する制度化が進んでいます。例えば、オハイオ州立大学は、2029年卒業の学年から、すべての学生が専攻分野とその分野でのAI応用の両方に習熟して卒業することを目標に掲げました。学習目標には、専門分野の目的のためにAIを使い、出力の正確さと妥当性を批判的に評価することや、分野内でのAIの新しい応用を根拠とともに設計することが含まれます。

同じくオハイオ・ステートでは、教員向けには、授業の再設計を導く自習型オンライン講座があり、修了にはAIに関するシラバス記述と、AI習熟を育てる課題や授業案の作成が求められます。5年間でAIに関係した100人の教員を新規採用する計画も進んでいます。

6)デュークの場合「課題ごとにAI利用のガイドラインを設定」

デュークの教育学習センターは、課題ごとに許容するAI利用の段階を学生に示す枠組みを紹介しています。さらに、プロンプト例、使用可能なツール、引用の期待を課題ごとに明記し、学生が開示したAI利用に教員がフィードバックを返すことを勧めています。

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