AIで「勉強が楽になる」どころか真逆に?米大学で始まった「AI前提教育」への大転換で超高くなる“人間に求められるレベル”

 

AIを前提とした教育に動く米主要大学「4つの共通点」

ということで、限られた情報ではありますが、アメリカの各大学がAI利用を前提とした教育へ向けて、急速に授業の革新に動いていることはお分かりいただけたと思います。こうした動きは、26年5月までの学年でも動いていたのですが、この2026年秋にスタートした「新学年」では、ほぼ全国の大学が一斉に「新しい方針、新しいガイドライン」を掲げて走り出しているのです。

ここまで見てきた内容は各大学が相互に取り入れており、結果的に各大学に共通する点が多くなっています。主なものとしては4つあります。

第1に、「AI検出ツール」への依存をやめるということです。例えば、MITの報告書では、「検出ツール」と「人間らしく見せる」ツールとの「軍拡競争」になる恐れや、英語を母語としない学生への誤判定を理由に、「検出ツール」の利用を批判しています。多くの大学で、「禁止して検出し、発見したら罰する」というのは「もう止める」というのがトレンドなのです。

第2に、成果物だけでなく過程を評価することです。成績をつけるにも、口頭試験、学期を通じたポートフォリオ、授業外の課題と授業内の対話などを組み合わせて、総合評価する方法が推奨されています。改訂履歴が残る環境で作業させ、その履歴を提出させる方法も幅広く行われています。

第3に、これも賢いやり方だと思いますが、AIを使う課題と使わない課題を併存させる試みがされています。MITでは、AIを多用する授業と控える授業の両方の系統を用意して、学生の到達度や満足度を比較検証する実験を提案しています。

第4に、教員自身の透明性です。教材や評価にAIを使う場合は、方法と理由を学生に明らかにするよう求められています。学生の利用法だけが可視化されたり批判されるのは不公平であり、教員もAI利用をオープンにすべきということです。

その一方で、問題も山積みとなっています。ペーパー試験だとAIが結果を歪めるので、口頭試験などを大規模に実施するという動きがありますが、このための人手と費用については懸念する声があります。例えば、プリンストンなどは、学生は紳士淑女なのだから「定期試験には試験監督は置かない」という伝統を、アッサリやめました。その結果、試験監督の手間が増え、学生との関係もギクシャクしています。

評価の再設計に抵抗を感じる教員がおよそ半数にのぼるという指摘もあります。また、AI活用の流れそのものに抵抗感を感じる教員も多く、そうした人々の多くは「もう自分の時代ではない」として引退するという話も多く聞かれるようになっています。

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