死ぬ前に柿を食べてはいけない理由

Tadeusz Wejkszo/shutterstock
 

あなたは人生最後の食事に何を食べますか? 最後ぐらい好きなモノを食べたいと思うのが人間ですが、大和まや・ゆうきゆうによるメルマガ『セクシー心理学!』では、「態度にも価値はある」という精神医学者フランクル氏の考えを紹介しています。

「死ぬ前に、柿を食べてはいけない理由~石田三成の話」

「セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術」 第497色より一部抜粋

「死ぬ前に柿を食べてはいけない理由」について話しましょう。

死ぬ前の、柿。

あなたは「石田三成」という人物をご存じでしょうか。

かの豊臣秀吉の家来で、「関ヶ原の合戦」で、徳川家康と戦った武将です。

この関ヶ原の合戦で、結局、家康に負けてしまい、そして最終的には捕まり、処刑されることになってしまいます。

この処刑される直前のことです。

三成は「ノドが渇いた。水が飲みたい」と言いました。

すると周囲の人は、言ったのです。

「残念ながら、今は水がない。しかしかわりに、柿がある。かわりにこれを食べてはどうか?」

あなたなら、どうしますか?

おそらく大半の方が「そっちがいい! 食べる!」と言うはずです。

しかし、石田三成は、こう答えたのです。

「柿は、体を冷やし、お腹を壊すことがあるから、いらない」

もちろん、そんなことはないと思いますが、当時はそう考えられていました。とはいえ、当時であっても「そんなこともありえる」くらいで、大半の人が気にせず食べていたでしょう。

ただ少なくとも三成は「体に悪い可能性がある」と考え、そして断ったわけです。

これを聞いて、柿を渡そうとした男は、笑いながら言いました。

「お前は今から首を切られるのだぞ? それなのに、その後の体調のことなんか心配してどうするんだ?」

すると三成はこう言ったのです。

「立派な人間たるもの、たとえ眼前に死刑を控えていたとしても、その最期の瞬間まで体を大切にし、一生懸命生きるべきなのだ」

いかがでしょうか。

最期の最期まで。

これ「石田三成の往生際の悪さ」として語られるエピソードでもあるのですが、個人的に本当に素晴らしいと思います。

たとえばこんな考え方ができます。

それこそ死刑の直前で、誰かが助けてくれるかもしれない。

家康が急病で死ぬかもしれない。

大地震などが起こって、処刑どころでなくなるかもしれない。

そのときに、もし柿を食べて体調を悪くしていたら、うまく逃げることができないかもしれない…。

もちろんそんな確率は、少なすぎるかもしれません。

しかし、たとえそれが「起こらなかった」としても。

それでも最期の瞬間まで、「その最期がない」かのように振る舞い、最大限生きていく…。

これは本当に大切なことだと思います。

態度にも、価値はある。

精神医学者フランクルは「人間は、たとえ何もできない状態であったとしても、自分のその瞬間の命に『意味がある』と考えることが大切」と言いました。(参照

これをフランクルは『態度価値』と呼んでいます。

たとえば、大ケガをして動けなくなっても、牢屋に入れられて、あらゆる行動を制限されても、

「治ったら○○してやる」
「ここを出たら△△してやる」

と考えたりできるはずです。

または「その状態でも立派に前向きに生きる」ことを、医療者や牢屋の看守に見せて、彼らに感銘を与えたりすることだってできます。

これらは一例ですが、結局

「どんな瞬間、どんな状況であろうとも、自分の命には価値があると考える」

ことが何よりも大切だというわけです。

人生、結局いつかは終わり。

また先ほどの話は「その日のうちに処刑される」という状況でしたが。

もし「今日死ぬのだからしょうがない」と考えるなら、その線引きはどこにあるのでしょうか。

「三日後に死ぬ」のだから、適当に生きてもいいのでしょうか。

一週間後なら? 一年後なら? 10年後なら?

結局人間、言うまでもなく「いつかは死ぬ」のです。

「ここから短い、ここから長い」なんて決めてもしょうがありません。

どの瞬間であっても。

たとえ死ぬまで数秒であっても、数十年であっても…。

等しくこの瞬間に、全力を尽くさなければいけないのです。

100歳まで生きるんです。

自分はあえて言います。

すべての人は「100歳まで生きる」と想像して、その上で毎日を生きていくべきです。

今のあなたが、20歳でも30歳でも40歳でも50歳でも60歳でも70歳でも、

「もう人生、そんなに長くないし、何か始めてもしょうがない」

なんて考えていたら間違いです。

100歳まで生きると考えて、その上で、何かをしてみてください。

新たなスキルをマスターしたり、新ビジネスを開始したら、その恩恵を40年50年と受けていくことができます。

自分自身、ここ一二年で新たにギターを始めてみましたが、これも「ギターが弾けたら、残りの人生ずっと楽しいのでは?」

という気持ちがありました。今から「ゆうスキンクリニック」を開いたのも同じです。

人生、どの瞬間でも「もう遅い」なんてことはないのです。

もちろんですが、あなたが100歳になったとしたら、今度は「200歳まで生きる」と考えて、何かを始めてみてください。

今回のまとめ

・死ぬ間際でも、柿を食べるな。

・死ぬまであと数秒であったとしても、人は全力で生きるべき。

・100歳まで生きるという前提で、何かを始めてみよう。

こんな言葉があります。

「人生は、何かをするにはあまりに短く、何もしないには、あまりに長い」

この「短い」というのは、「それだけ濃密で、あっという間に感じる」ということではないでしょうか。

結局、「何かをする」と考えた瞬間、残りの寿命なんて、なんの関係もなくなるんですよ。

ちなみに自分自身がバスト道を突き進むのも、同じ理由です。

死ぬ直前までバストバスト言うと思います。

ゆう「バストバストバストバストバス…」

医者「…ご臨乳です」

こんな状況になったらどうしよう。

そんなことを妄想しつつ、200歳まで生きようと頑張ります。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

「セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術」 第497色より一部抜粋

 

著者/大和まや・ゆうきゆう
精神科医・心理研究家。あらゆるジャンルの心理学を極めた、セクシーな精神科医たち。あやつる心理学のスキルは1000を超える。「ゾクゾクしなければ人生じゃない!」がモットー。趣味は瞑想と妄想。特技はスノーボード。 
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