「ご苦労さまです」と「お疲れさまです」の2つの言葉は同じような意味で使ってしまいがちですが、目上の人に使うにあたっては意外にデリケートに扱わないといけないもののようです。今回の無料メルマガ『神垣あゆみメールマガジン』では、この2つについて、TPOに応じた使い分けや、企業におけるルール化について紹介しています。
「ご苦労さま、お疲れさま」について<読者からの質問>
2019年9月2日に配信したVOL.3,378について、下記の質問をいただきましたので、紹介します。
<質問>
ご苦労さま、お疲れさま< 気をつけたい言葉づかい(3)>VOL.3,378の感想です。私は以前、親会社の社長に、目上の人に対して「お疲れさまです」は使ってはいけないと言われたことがあります。
理由を聞いてもはっきりとしたことは答えてくれませんでしたが、私の考えるところでは、あなた(部下)のために私(上司)は疲れていませんと言うことではないかなと思っています。神垣さんはどう思われますか?
また、定年退職を迎える人(上司)に対しては、目下の人が「ご苦労様でした」という言葉を使ってもいいという意見も聞いています。
私の考えすぎかもしれませんが「ご苦労さま」「お疲れさま」は使い方が難しい言葉だと思います。TPOをわきまえて使わなければならない言葉かもしれません。(亜麻乃時夜句さん)
亜麻乃時夜句さんは以前よく、質問や感想をお寄せくださっていた読者の方です。久方ぶりの投稿、ありがとうございます。
当メールマガジンでは
- 「ご苦労さまです」は目上の人が目下の人にかける言葉
- 上下関係に関わらず使えるのが「お疲れさまです」
ということをお伝えしてきました。ただ、亜麻乃時夜句さんのケースのように
- 目上の人に対して「お疲れさまです」は使ってはいけない
- 定年退職を迎える目上の方へ「ご苦労様でした」という言葉を使ってもよい
とする会社もあることでしょう。そうであれば、会社のルールにのっとって「ご苦労さまです」「お疲れさまです」を使う、ということで差し支えないと思います。
昨年、私が担当したある会社の研修でも、「社内メールでは『お疲れ様です』を定番フレーズとして使わなければいけませんか?」という質問があり、「社内メールでは『お疲れ様です』というフレーズなしで、用件から書くという社内ルールを作ってみては?」という提案をしたことがあります。
研修に参加していた社長が、疲れてもいないのに社員から「お疲れ様です」とメールに書いたり、言われたりすることが以前から気になっていった、ということで、その研修で「お疲れ様です」廃止宣言をし、その会社では社内メールでは使わないというルールが即決しました。
「ご苦労さまです」「お疲れさまです」は亜麻乃時夜句さんが書いておられるように「TPOをわきまえて」使う必要のある言葉ですが、そのTPOによる使い分けを、社内レベルで考え、ルール化すればよいのではないでしょうか。
私はメルマガで基準になることを書いていますが、それをきっかけに、会社単位で最適化し、ルール作りに役立ててもらえればうれしいと思ってい
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