忙しいから手を借りたい…、そう思ってもなかなかお願いしづらいものです。表向きは快諾でも本心は解りませんし、遠回しに断られたりしたら…等々、そんな気苦労が嫌で1人で抱え込むと自滅してしまうかもしれません。今回の無料メルマガ『東北NO1メンタルトレーナーが送る『自信をはぐくむ、幸せな自分のなり方』』では心理カウンセラーの吉田こうじさんが、「依頼や誘いを断られにくい声のかけ方、頼み方」を紹介しています。
「苦痛快楽の心理」を利用した断れない頼み方のテクニック
今回は私たちが持っている「苦痛快楽の原則」を利用した、断りにくい頼み事のテクニックです。
時間に追われてばかりいるせいで、心からの充実感や満足感を得られなくなる「時間飢饉」という心理現象が起きる原因の一つに、「人に頼み事ができずになんでも自分で抱えてしまう」というのがあります。
誰かに「お願いします」と頼むだけで、自分の時間を創造できるのに、頼めないばっかりにいつも時間に追われてしまう…。勇気を出して頼んだにも関わらず、無下に断られてしまう…。今回はそんなお悩みを抱えている人には役立つテクニックかと思います。
事例が多いので文章がちょっと長くなりましたが、今回の内容が理解できると、対人関係の余計なトラブルをかなり減らせるどころか、むしろ、ハッピーな方向に向かうかと思いますので、ぜひチェックしてみてください。
では本題です。私たちは本能的に「苦痛を避ける」そして「快楽に向かう」、こうした思考&行動の特性があります。そして、反射的に反応しがちなのは「苦痛を避ける」方ですね。なので、やると決めたことをつい先送りしてしまったり、やってもいないのに「無理」とか「できない」とか考えちゃったり…。
これって、「行動する」という苦痛を避けようとしている、かなり原始的な本能に実は支配されちゃっているだけのことなわけですが、とは言っても、そうした特性があるということを知っておかないと、相手に何か頼み事をした際にも、反射的に「無理」「できない」と無下に言われてしまう…。
それって実は「頼み方」が悪いだけなのに、「どうしてあの人はあんなに不親切な人なんだろう?」とか「もしかして私に意地悪しているの?」みたいに考えちゃって、どんどん面倒臭い人間関係になることも…。
じゃあ、どんなふうに頼み事を持ちかければ、相手からYESをもらいやすくなるのでしょうか?具体的な場面で考えてみましょう。
例えばあなたは来週の金曜日に休みを取りたいとします。その際に、普段ならどんなふうに上司に頼みますか?
「申し訳ありませんが、来週の金曜日に休みをいただいてもよろしいでしょうか?」
これって上司の視点で言えば普通に「YES or NO」で答えられるシンプルな質問のように思いますよね?でも、こう言われた上司は、頭の中で
- この社員に金曜日に休みを与えることで、果たして仕事は回るだろうか?
- この社員に休みを与えたら、他の社員から不満が出ないだろうか?
- この社員が休むことで、仕事に支障をきたしそうなことって何かあっただろうか?
など、一瞬で色々なことを考えさせられた上に、考えた上での結論を求められるという、かなりの「苦痛」を実は与えられているのます。
で…、ここで「人は苦痛を避ける」という原則の登場です。考えるという苦痛、決断を下すという苦痛の「二重の苦痛」を突然味わうことになる上司の気分はいいでしょうか?それとも悪いでしょうか?
はい。悪いに決まってますね。
なので、上司としてはこの苦痛のストレスを与えた原因である「あなた」にストレスを発散してくる可能性が高いわけです。つまり「ダメ」と言われるってことですね。それでも運よく「いいですよ」と言われたとしても、上司の内心としてはモヤモヤが溜まっていたりするんです。ここまでOKですか?
じゃあ、どうすりゃいいのかってことですが、例えばこんな言い方ならどうでしょうか?
「申し訳ありませんが、来週の金曜日に休んでもご迷惑にはなりませんでしょうか?」
言っている内容は、先ほどと全く同じです。でも、実は「主語」が全く違うんです。ここに一瞬で気付けたあなたはコミュニケーションの上級レベルですよ^_^
では、もう一度、先ほどの例を振り返ってみましょう。
「申し訳ありませんが、来週の金曜日に(私が)休みをいただいてもよろしいでしょうか?」
いかがでしょうか?主語は「私」ですね。なので、それを聞いた上司は、反射的に「自己都合を押し付けられた」って感じる可能性が高くなるし、さらには主語を「上司自身」に変換して改めて考え直すという、すっごい手間暇を強いられているんです。これでは「NO」と言われる可能性が高くなっても自業自得と言えるでしょう。