連結子会社を含め8万人以上の従業員のトップに立つ、ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長の孫正義氏。今を遡ること31年前、1989年に彼は雑誌取材に対して「リーダーシップ論」を語っていました。その秘蔵インタビューを特別配信したのは、無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』。当時の孫氏はソフトバンクをどんな会社にしたいと考えていたのでしょうか。
32歳の孫正義さんが語ったリーダーシップ論
ソフトバンクグループを率い、日本のみならず世界からも注目を浴びる起業家・孫正義さん。本日は、32歳の若き孫さんがリーダーシップについて語った貴重な秘蔵インタビューの一部を特別配信!
とにかく、会社が100人ぐらいまでの時は、自分が何でも先頭に立って、とにかくやってみせる、そしてみんな付いてこいというスタイルですよね。
これが数百名、あるいは1,000名ぐらいになりますと、自分が全部やってみせるというわけにはいきませんから、うまく指示をして、その通りやってるかどうかチェックする形になると思うんです。これが1,000名を過ぎて数千名になると、今度は自分一人ではチェックできませんから、組織でもってチェックアンドバランスの体系を作っていかなければならない。
これが1万名を超えてくると、もう、人為的にチェックしたり組織でやるといっても、なかなか自分の思い通りには動かない。そうなると、もう、ただひたすら、自分の思いを込めて両手を合わせて祈りながら、その祈りがじわーっと幹部に伝わり、その幹部から末端の社員まで浸透していくというような形になるんじゃないんでしょうか。
怒って言って聞かせても、なかなか目が行き届かなくなってくる。その時に自分の心底の真心からの思いがじわーっと染み込んでいくような、そういう真心の経営みたいなものをやっていかないと、人心を集めるということはできないだろうなと僕は思います。
私どもの会社が、果たしてそこまでの規模の会社になれるのかどうか、やってみないと分かりませんけれども、少なくとも男として会社を経営する以上は、そのぐらいの企業になりたいというふうには思っているんですけどね。
※ 本記事は『致知』1989年11月から一部抜粋・編集いたしました
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