文房具の世界に革命を起こしたとも言われる「消せるボールペン」ですが、その使用が向いていないシーンもあるようです。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、自身が講師を務める研修の「アイディアを書き出すようなワーク」では、消せるボールペンの使用を推奨しない理由を明かすとともに、「書いたものを消すことで生じるデメリット」を解説しています。
消えない書き出し
「消せるボールペン」が普及して当たり前になった現在ですが、私が研修をやる時に使う筆記具は、こうしたペンを推奨していません。理由はシンプルに、書いたものを消せてしまうからです。
書いたものを消せるというのは、確かにとても便利なのですが、トレーニングをしたり考え事をする時などには本当に向かないなと思っています。
先日も、研修で書き出しをするワークをかなりしっかりやらせてもらう機会がありました。すると参加者の中には、何名かそういうペンを使ってワークをしている人がいます。でも、やはり顕著に出るというのか、消せるペンを使っている人ほど筆が進んでいかないのです。
はっきり言いますが、書いたものを消すという行為は、頭の中の考えを狭めます。せっかく書いたものを消すという行為は、間違っていると思うから消すわけです。つまり、消さない状態というのは、正解を書いている状態であると言えます。
しかし、学校のテストならそれでよくても、トレーニングの場や考え事をしてアイデアをどんどん出すというような場には、正解という正解はありません。だから、間違っていようがなんだろうがとにかく出し尽くすことが重要です。
それを、書いては消してとやっていると、自然と考えが縮こまっていって、答えが出せなくなっていくんですね。だから私は、トレーニングをやる時などは、書いたものが消せないようなペンを使うことを推奨しているのです。
トレーニングで書き出しをしている時に、綺麗に書いたところで、何の意味もありません。トレーニングの本質は、練習をすることや、販売力を上げることなのですから、綺麗に書くとか正解を書くといった部分に意識を向けても無駄でしかないのです。
とにかく出すこと。
そして、いろいろ出していった中で、正解に近いものを探すこと。
その繰り返しです。
消せるペンで書いては消してを繰り返している人は、本当にやめた方が良いと思ってます。考えの幅が狭まりますよ。
今日の質問です。
- 書いたものを消すことで生じるデメリットはどんなものだと思いますか?
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