フランスの国政選挙が6月に迫り、苦しくなった急進左派政党が共産党と共闘することになったそうです。この流れは日本でも起き得ることであるとするのは、歴史学者で日仏交流に情熱を注ぐ世川祐多さん。世川さんは自身のメルマガ『パリ大学博士・世川祐多のフランスよもやま話』の中で、日本とフランスの左派陣営の特徴的な動き方について語っています。
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日本もフランスも同じ。票集めに苦しくなると「共産党と共闘」の現実
6月の国政選挙に際し、不服従のフランス(LFI)という急進左派政党がフランス共産党(PCF)と共闘するという大変面白いニュースが流れた。ここにはエコロジー政党も入っている。
不服従のフランスは下院577議席のうち17議席しか占めていない政党ではあるが、メランション党首は左派政治家として有名で、大統領選にも出たし、フランス人なら誰でも知っている。
フランス共産党は下院に11議席しか有していない。
やはりこのようにして左派陣営も票集めに苦しくなると、共闘したくなるというのは日本もフランスも同じだ。この左派共闘には社会党も加わる方向だという。
日本でもフランスでも、共産党員というのは今や高齢者ばかりが目立つ。
議員でも共産系プロ市民でも、稀に若い人がいても、それは例外で、原則的には昔はバリバリの革命戦士だったという雰囲気のおじいさんおばあさんしかいない。
エコロジー系の左翼は若者が多いが、オールド左翼政党や共産主義陣営は、日本もフランスも若返りに失敗した感は否めない。
フランスのエコロジー系やれいわ新撰組は支持層は非常に少ないが若めだから、逆にオールド左翼とは一線を画そうとするきらいもある。
しかし少数政党であることに変わりはないから、オリジナリティーや若さを出しつつも、票田の前には共闘せざるを得ない。
このように非常に日本とフランスの左派陣営の雰囲気は似ている。日本人とフランス人は本質的には保守的だから、やはり中道右派や右派層の方が多い。
戦後、社会党政権がミッテランとオランドしかいないフランスと、日本も例外を除けばほとんど自民党政権。
政治への関わり方や、直面する政治課題は違っていても、国民の政治色は案外似ている感じがする。
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