絶望のプーチン。ロシアの望む形でウクライナ戦争終結などあり得ぬワケ

uc20230221
 

開戦から1年となる2月24日を前に、東部を中心とした地域で激戦が続くウクライナ戦争。両国とも軍の消耗は激しいものがありますが、今後この紛争はどのような推移を見せるのでしょうか。今回のメルマガ『uttiiジャーナル』ではジャーナリストの内田誠さんが、予想されていたロシア軍の「春の大攻勢」が既に1月末に始まっていたという専門家の見方を紹介。さらに戦争収束に関しては、「プーチン政権が望む形で終わる可能性は非常に小さい」との予測を記しています。

絶望に等しいプーチン政権下で戦争収束の可能性は低い

今、ロシアの侵攻によって大変な戦争が起こっていますけれども、これが仮に終結した後の世界はどうなるのだろうかということについて、それをビジョンとして出しているところは勿論ないでしょうね。解らないから、です。何よりも「解らないから」ですけれども、色々なことが起こりうるので。まあ、正直に言ってしまえば、この戦闘というか戦争が終わったあとで何がどうなっていくのかに関心があるので、軍事的な情報も、それにまつわる政治的な状況についても細かく詳しく見ていかなければいけないのではないかと考えているわけなのですね。で、今日もウクライナの話です。

私は例によって専門家ではないですから、色々言われていることの中から自分なりにくみ取ったことをここで再構成してお話ししているのに過ぎません。専門家の方、色々な専門家がおられますが、自衛隊の出身の高級軍人というか高級将校というか、将軍の「将」という字が就くところまで行っている人たちの話していることは、なかなか興味深いなと思っていつも聞いているのですが、いわゆるロシア軍による大規模攻勢というね、春の大攻勢があるのではないかと言われていたことについては、「いつ始まるのだろう、いつ…」と言われていましたが、既に1月25日あたりに始まっていた、というのがもっぱらの見方のようです。現象として見えているのは、ウクライナの東部での最前線のところ。バフムトというところが有名になりましたけれど、そこから北に向かって大きな町が今大変な最前線になっていて、ウクライナ側から見てもこれまでのロシア軍の攻勢と比べられないくらい激しい攻撃が行われていると、いうことのようです。

プーチンの無茶振りにゲラシモフが仕掛ける異次元の戦争行為

まあ、もう少しお話ししますけれど。全体としてプーチンさんの絶望というか、そういう地合でことが進んでいるのではないかなという気がします。彼にはある種の希望があるのでしょうが、それは客観的に見れば絶望に等しい。少なくともロシア、プーチン政権が望む形でウクライナ侵攻の一連の出来事が収束していく可能性は、非常に小さいのではないかなというように思います。

今現在、非常に激しい攻撃が行われているのは、プーチンさんが先日「3月末までにドネツクとルガンスク、この2つの州を完全に制圧せよ」という命令をロシア軍に対して下した。そのロシア軍は参謀総長であるゲラシモフさんの元にあるわけですし、未だに特別軍事作戦といっているウクライナ侵攻の総司令官という意味でも、ゲラシモフさんなんですね。このゲラシモフという方が全体の指揮をとって、明らかにこれまでとは違う次元の戦争行為をやっているというのが現実なのだと思います。

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