絶望のプーチン。ロシアの望む形でウクライナ戦争終結などあり得ぬワケ

 

ベトナム戦争ピーク時の米軍と同数の兵でウクライナを侵略するロシア

で、3月末までに目的を達するのかといえば、そう簡単な話ではないでしょうが、私のような素人が見ても、それまでの司令官の人たち、何人かいましたけれど、あっという間に代えられてしまった人もいましたが、いずれにせよ、ロシアが保持している軍事力のある一部分しか代表していない人が司令官になっていた。もちろん、特別軍事作戦で、東部の2州にいるロシア系の人たち、ロシア語話者、こういった人たちを「救う」のだという話で、軍事目標はそこに限局されていたので、「特別軍事作戦」で良かったのかもしれませんが、実際やってみたら全然ダメだったということ。

その辺はもう繰り返しませんが、この1年間、失敗に次ぐ失敗を重ねて、貴重な正規軍の優秀な部隊なども全滅に近い結果になってしまった。そこに部分動員があり、さらにまたこれから動員が掛かるのだと思いますが、なんと、35万人から、周辺のロシア軍を入れると50万人の兵士がこのウクライナを攻めている状況。まあ、全員が銃の引き金を引いているということではないのでしょうが、参加しているロシア兵の数が50万。この50万という数字は割とセンシティブな数字で、ベトナム戦争の当時、米兵が最大に派遣されたときの数字が50万。確か50万だったと思うんですね。改めてベトナム戦争を振り返ってみて、まあ凄まじい戦争だったわけですが。米兵は5万人くらい死にました。ベトナム人は200万人死んでいるんですね。そういう戦争でしたが、そのときに米軍がベトナムに派遣したのとほぼ同じ50万のロシア軍部隊が、他国であるウクライナに対する侵略行為を現にやっている。

1日800人以上の死者を出すも攻めきれぬロシア軍

既に「大規模攻勢」が始まっている、強まっている、攻撃の仕方が大変強まっているのは、人数がたくさん掛かっているからに過ぎないのですよ。誰が見たってそうですよね。いわゆるエリート部隊と言われるような空挺部隊、最初の頃の空港の戦いでほとんど全滅に近いところまでやられてしまっているので、その他色々なところで優秀な軍隊は大体潰れてしまっている。これもまた凄い話なのですが。

で、今、何をやっているかというと、新たに編成された部隊でしかも例の突撃作戦のようなことをやっている。毎日とんでもない数のロシア兵が死んでいるのです。要するに機関銃の前に身体をさらすようなことを新しく加わった兵隊に強い、突っ込ませて次々と死んでいく。そうするとウクライナ軍の対応の状況が分かるので、そこに砲撃を加える、正規軍が攻めていくということのようです。そんな戦法があるのかなと思いますが、実際に一番多い日で八百数十人が死んでいる。ウクライナ側の発表が元になっている数字ですから、どれくらい正確なのか分かりませんが、おそらくそう違った数字ではないのではないかと思います。そういう攻撃でとにかく押して押して押しまくっている。まあそれでもうまく押せていないわけですが…。ウクライナ軍からしたら毎日とんでもない数の弾が飛んでくる、人間も攻めてくるわけで。当然排除するわけですが。いい加減、疲れるだろうと思います。

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