プーチンを強く批判する極右であるイーゴリ・ストレルコフが拘束されました。なぜ、このようなことになったのか、メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、詳しく彼の拘束について語っています。
ロシアとウクライナの重要な秘密を知る男、ストレルコフが拘束されました
「反プーチン勢力」は、時代と共に変化しています。2022年2月24日にウクライナ戦争がはじまるまで、「反プーチン勢力」といえば、ナワリヌイを中心とする「リベラル派」でした。
ナワリヌイは、ロシア政府高官の汚職を次々と暴露することで、「プーチンは、国民に寄り添って質素に暮らしている神話」をぶち壊していきました。彼は2021年1月に逮捕され、今も刑務所にいます。
ロシアの「リベラル反プーチン勢力」は、壊滅状態にあります。刑務所にいるか、外国にいるか。それで、ロシア国内における影響力は、ほとんどなくなっています。
代わって台頭してきたのが、「極右反プーチン勢力」です。これは、何でしょうか?
彼らは、ウクライナ侵攻を大歓迎しました。彼らは、「ロシア軍は3日でキーウを占領し、戦争は終わる」と思っていた。
ところが、半年経っても終わらない、1年経っても終わらない。極右勢力の一部は考え始めました。「これは、プーチンが無能だからだ!」と。
どんな人物が、「極右反プーチン勢力」に含まれるのでしょうか?たとえば、「プーチンのメンター」と呼ばれた地政学者ドゥーギン。この方は、娘のダリアが2022年8月、自動車で爆殺されたことで世界的に知られるようになりました。
たとえば、プリゴジン。プリゴジンは、最前線で戦い健闘していた。それで、極右勢力の中でもっとも人気が高かったのです。
もう一人、今回の主人公イーゴリ・ストレルコフがいます。この方は、どちらかというと、テレグラムとかYouTubeの「ロシア極右系インフルエンサー」といえるでしょう。プーチンのことをもっとも強く批判している極右です。








