ここ数年、海外では空前の日本酒ブームとなっている国や街があるようです。欧米の人たちは、料理とワインを合わせて楽しむのと同じように、日本酒も料理との組み合わせで楽しんでいるのだとか。今回の『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』に寄せられたのは、「日本酒に合うおつまみのお薦めは?」という質問。人気コンサルの永江さんは、日本酒の特長から、相性のいい食材を紹介。そのうえで、「日本酒に合うおつまみ」という視点とは真逆の考え方、楽しみ方を推奨しています。
日本酒に合うおつまみって何?
Question
いつも楽しく拝読しています。シンプルな質問なのですが、日本酒に合うおつまみで永江さんのお薦めがあればぜひ教えていただけないでしょうか。
私は特に詳しくないのですが日本酒が好きで、よく子どもを寝かしつけた後に嗜んでいます。スッキリした香りの良い大吟醸もコクと旨みのある純米酒もそれぞれ好きで、純米酒も冷で飲むことが多いです(冬は熱燗にすることもあります)。
つまみは、辛子明太子・漬物・刺身などが主ですが、日本酒に詳しい永江さんお薦めのものがあれば種類や具体的商品名など伺えたらありがたいです。ご回答頂けたら幸いです。よろしくお願いいたします。
永江さんからの回答
海は魚介類と、山なら蕎麦をあてるのもお勧めです。ぜひ試してもらいたいのは、お酒につまみを合わせるのではなく、つまみにお酒を合わせるという考え方ですね。
わたしも日本酒が好きですが、糖質が高いので「美味いものを食べるぞ」という時しか飲みません。海の幸なら魚介類で、魚はもちろんウニや明太子、牡蛎なども日本酒がよく合います。山の幸では蕎麦がお薦めで、唐辛子をかけて蕎麦をあてにして日本酒を飲むととても良い香りを楽しめます。
日本酒には旨味成分のグルタミン酸が含まれていて、魚介に含まれる出汁に出ているイノシン酸との相乗効果がバツグンなんです。(3大旨味成分は「グルタミン酸」「イノシン酸」「グアニル酸」)
● 三大うま味成分は【イノシン酸】【グルタミン酸】ともう一つ何だっけ?それは干し椎茸の【グアニル酸】です! | 姫野一郎商店 明治十年創業
1つぜひ試していただきたいのは、日本酒に合うつまみを選ぶのではなく「美味しい食事・食品に合わせて日本酒を選ぶ」という考え方です。
例えば美味しい牡蛎を食べる時には、白ワインより日本酒の方がずっとよく合いますし(漫画の『美味しんぼ』でも紹介されています)、先日北海道の繁盛店で食べた塩ウニがとても美味しくて日本酒によく合いました。
上述の通り、日本酒を飲むと食品に含まれる旨味成分が倍増しますし、旨味が凝縮された奥深い味には日本酒の淡麗さが最適なので、美味しい食事に日本酒を合わせることで料理とお酒の両方を最大限に楽しめるということですね。
さらに、日本酒はその地域の食べ物に合うように作られています。地元の美味しい物を食べるときは地元の日本酒を選ぶようにするのがお薦めで、私は、旅行に行ったら地場の料理が美味しいお店に行って、料理に合う地元の日本酒を選んでもらっています。
ご自宅での楽しみ方としては、各地から美味しい食材と一緒に日本酒を取り寄せて味わったり、色んな日本酒を用意しておき、美味しい食材や料理にマリアージュしていくのが良いんじゃないかと思います。(料理に合うワインをソムリエにマリアージュしてもらうのと同じですね)
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