「栃木強盗殺人事件」や「ルフィ広域強盗事件」など、世間を震撼させた組織的強盗。その背後には、特殊詐欺とまったく同じ「スキーム」が潜んでいることをご存じでしょうか。詐欺で資産を知られた家こそ、次の強盗の標的になりかねないのです。今回のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』では、著者でジャーナリストの多田文明さんが、詐欺と強盗の意外なつながりと、被害から身を守る具体的な方法を解説します。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです
組織的強盗は特殊詐欺のスキームを利用したもの。「架け子」の立場にあたるのは
「栃木強盗殺人事件」や「ルフィ広域強盗事件」などの組織的強盗グループの犯行を通じてみえてくるのは、「詐欺は強盗の始まり」ということです。
資産のある家の名簿を取得して、指示役の命令を受けた実行役らが押し入り、マニュアルに沿った形で犯行に及ぶという組織的強盗グループの犯行手法は、特殊詐欺のスキームを利用したものです。
詐欺の場合、この指示役と実行役の間に詐欺の電話をかける「架け子」がいます。彼らは、実行犯がお金をだまし取りにいくための下準備をする人たちですが、強盗では、この存在の代わりに位置するのが「下見役」といわれる人たちです。下見役はお金を奪う犯行の下準備をする存在です。栃木の強盗殺人事件でも下見役と思われる人物が逮捕されています。
栃木の強盗殺人事件の主導役として国際指名手配された益田和彦容疑者は、逮捕された指示役夫婦と東南アジアの詐欺拠点で出会ったとの報道がなされています。
やはり、今回の強盗事件も、詐欺が始まりということがよくわかります。
強盗被害を軽減させるために、詐欺対策を施しておくことも重要
今は闇の名簿屋が存在しており、詐欺被害や詐欺未遂をうけて、家人の資産の状況が知られてしまえば、強盗をうける可能性もありますので、詐欺に遭わないことが重要です。
「詐欺は強盗の始まり」の考えをさらに発展させれば、強盗を受けないためには詐欺対策を施しておくことが大事になります。
詐欺においては多額をだましとられないように、一日のお金の引き出しや送金できる金額を低く設定しておくことが大事ですが、これは強盗対策においてもあてはまります。
組織的強盗は、家人がいる時にあえて入り込みます。それは、金庫の番号や、キャッシュカードの暗証番号を聞き出して、効率的にお金を奪うためです。そのために、指示役は実行犯に、家人を脅すようにいいます。その時、刃物を突き付け、暴力をふるうように指示されたら、実行役はその通りに行動します。ですので、番号をごまかして伝えれば、身体に大きな被害を受ける恐れがあるのです。
ですので、キャッシュカードからの送金額などの引き出せる金額を低くしておくことや、金庫のなかには、極力多額のお金を入れておかないことが、被害を軽減させるために重要になります。
これまで潜入取材をしてきて、だます側は嘘をついてお金を取ろうとするのにもかかわらず、こちらが住所や名前などの嘘をつくと、激しく糾弾してくることを体感しています。そこで、勧誘現場では正確に自分の事情を話すようにしてきました。おかしな話ですが、だます人間ほど、嘘をつかれると激高してきますので、こちらが「嘘をつかない」姿勢を取ることが身を守ることにつながります。
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