史上もっとも運の悪い科学者とは
運は誰にでも良く出来る、ということをお伝えしてきたのですが、もしかしたら読者さんの中には
■ 運が良くなったからなんだって言うの?所詮この世は実力でしょ?
そう思われる方もおられるかもしれません。では人類史上、最も不運だと噂されている人物の話でもしましょうか。
ニコラ・テスラという人物です。聞いたことがありますか?現在でも世界中で採用されている交流送電、交流モーターの父ですが、直流送電を提唱していたエジソンに比べると、その知名度は極端に低いです。
彼は発明の父とも言われる、かのエジソンの作った会社に在籍していた当時、
「そんなに良いというなら交流送電で、この工場を動かしてみろ!
もし出来たとしたら褒美として5万ドルをプレゼントする!」
エジソンから見たら自分の直流送電こそ、絶対の技術だと思っていますから実現は不可能だとおもっていたのでしょうね。
しかしテスラは、試行錯誤の末、見事にエジソンの工場を交流送電で動かします。
ところが直流方式を守りたかった(交流方式を認めたくなかった)エジソンは、報奨金は冗談だったとしてテスラに支払いませんでした。これに激怒したテスラは、エジソンの会社を退社して独自の道を歩んでいくのですが、その後はプライベートでも発明家としても不運が続き、存命中はとても幸
福とは呼べないまま、とあるホテルの一室でひっそりと人生を終えます。今現在の世界で採用されている送電方法は、その多くが彼の提唱した交流送電であり、エジソンの提唱した直流放電ではありません。実力はエジソンにも負けぬほど、イヤ、それ以上の先見の明を持っていたわけです。
それなのに、交流電流、ラジオ、ラジコン、蛍光灯、空中放電、無線送電等、人類にとって有益で、この先も研究が続けられて、お金を生み続けるであろう技術を開発したテスラは、エジソンのような栄誉を受けること無かったばかりか、一般にはほとんど知られるところがありません。
それどころか、おかしな言動が多かったせいで「マッド・サイエンティスト」(狂った科学者)という不名誉な形容詞をつけられてしまいました。彼の名は唯一、磁束密度の単位として残っているのみです。もしエジソンとは縁のない所で、交流送電の成功を達成していたなら?もし誰か有力な人物が、彼のパトロンになっていたなら?
歴史に if はありませんが、彼には決定的に運がなかった。恐らくテスラも思っていたはずです
「この世は実力だ!俺に実力はあるんだ!実力しかいらない」と。
しかし彼は、運を味方に付ける実力は持っていなかったのです。
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