さとり世代の新人にそっと教えたいビジネスの「守破離」

shutterstock_223131421
 

新社会人の皆さん、もう新人研修は始まったでしょうか? シリーズ35万部を突破した『インバスケット思考』著者・鳥原隆志のメルマガ『インバスケット インバス!メルマガ』に掲載中「一生使える仕事の基本」は、まさにフレッシャーズのためにあるような記事。メルマガも無料で登録できますよ。

一生使える仕事の基本

さて今週から「一生使える仕事の基本」というシリーズで書いていきたいと思います。

今週は「原理原則基礎基本」です。

私が前職の小売業時代によく言われた言葉です。

これは『目立つことや派手なことをするよりも、ごく当たり前のことをしっかりやろう』という意味です。

目立つ売り場を作ったり、驚くような企画を立てたりするよりも、小売業の基本である清潔な売り場や、品切れをなくすなどの当たり前の部分を大事にすることを徹底させられました。

基本に立ち返れば、スランプから回復できますし、致命的な失敗も防ぐことができます。

ごく当たり前のことができて、初めてそこから発展した目立つことや派手なことができるのです。

よく似た言葉で「守破離」という言葉があります。

これは日本古来の武道や剣道などで使われる教育の言葉で、しっかりと基本を身につける「守」、そして身に付いた基本から自分風にアレンジする「破」アレンジした型を定着させる「離」という段階を表しています。

どちらにしても、つい派手なことやテクニックに私たちは走りがちですが、「原理原則基礎基本」ができていないと意味がないのです。

今後このシリーズでは、この原理原則を中心に考えていきたいと思います。

中には、「そんなことはすでに実践している」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、私の研修では、「原理原則基礎基本」ができていない、もしくはそれ以前に知らないという管理者の方が多いのも事実です。

ですから、ご自身への気づきとしてお読みいただければ幸いです。

新人研修より大事なのは、その後の”失敗”

仕事の基本は、新入社員研修で教えてくれるものだと思っている若手社員が多いのですが、実はほとんど教えてくれません。

新入社員研修で教えてくれるのは、会社として恥やトラブルが発生しないような最低限の事柄です。

名刺の渡し方や挨拶の仕方、そして報告・連絡・相談。

これらは社員のためではなく、会社のためなのです。

ですから、基本は新入社員研修で教えてもらったと豪語する方は、はなはだ勘違いされているのです。

仕事の基本は、よほど良い上司やメンバーがいれば別ですが、多くの場合は教えてくれませんから、自分から学び取らないと、手に入れることができないものなのです。

ではどのように学ぶのか?

私自身は、仕事の基本の多くは「失敗」から学びました。

その時にお客様に叱られた一言、上司から残念そうに言われた言葉、先に行くライバルから盗み取った行動などです。

“失敗をし、学んで、そして失敗をしなくなり、成功する”

これは仕事の方程式ともいえるでしょう。

もう一つ、仕事の成功には方程式があります。

それは“基本ができていない人は決して成功者にはなりえない”というものです。

基本ができていない人は、必ず失敗をします。

しかも最悪の失敗を犯します。

それは「見えない失敗」です。

失敗には二種類あります。

「見える失敗」「見えない失敗」です。

見える失敗は、ミスと言われるものや目標に達成しないことなどで、多くの方がこの見える失敗を恐れますが、

本来恐ろしい最悪の失敗は「見えない失敗」なのです。

「見えない失敗」は、本人が自覚していない失敗です。

例えば、周りからあの人と仕事をしたくないと思われたり、仕事を任せられなかったりする、本人が気付かない失敗です。

私は以前スーパーにいましたが、クレームを言ってくださるお客様よりもっと恐ろしいのは、いつの間にか来なくなるお客様です。

見える失敗は対応のしようがあるのですが、見えない失敗は対応のしようがないのです。

そしてその見えない失敗の主な原因が、「仕事の基本」ができていないことなのです。

インバスケット インバス!メルマガ
インバスケット総合情報サイトの「インバス!」が発行する無料のメルマガ。ビジネスマンが身に付けるべき思考や、インバスケットの練習問題などが楽しめます
<<登録はこちら>>

print
いま読まれてます

  • さとり世代の新人にそっと教えたいビジネスの「守破離」
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け