自信を持つことは大切ですが、それが根拠の無い自信であれば話は別。そんな「自分への過大評価」は、意に沿わない現実の出来事に対する大きな落胆に繋がると無料メルマガ『ビジネス発想源』は説きます。同誌はまた、そうならないための方法も提示しています。
自分への過大評価
自分は間違いなく、平均よりは上にいる。
と、98%に近い人が思っています。
低い能力であっても、経験が少なくても、「まあ自分は間違いなくそこそこの位置にいる」と、なぜかみんな思ってしまう。これを、「レイク・ウォビゴン効果」と呼ぶそうです。
レイク・ウォビゴンとは、もともとアメリカのラジオドラマに出てくる「住民が大人も子供もみんなハイスペック」という架空の街のことです。その街のように、みんな自分をハイスペックだと思っているというのが、レイク・ウォビゴン効果。
例えば、自分の運転技術や物事の理解度を10点満点で自己採点してみると、ほとんどの人が6点とか8点とかをつけ、下方につける人は滅多にいないのです。
このレイク・ウォビゴン効果こそが、「自分だけは大丈夫」という根拠のない自信が一堂に集まった集大成ともいえるでしょう。
「まあ自分は運転技術はあるほうだと思う」とほぼ全員が思って運転した結果、毎日のように事故が起きている。
「まあ自分はけっこう会社に尽くしていると思う」とほぼ全員が思っている中、リストラ要員に指名されて絶望してしまう。
「自分は平均よりは上にいる」「自分だけは大丈夫」と信じ込んだ結果、現実の出来事に対して大きな落胆をしてしまいます。
世の中の会社の多くの人事評価がうまくいかないのも、いくら客観的な評価システムを緻密に作ったところで、ほとんどの人は「自分は平均より上」と思っているので、その評価を聞いて落胆してしまうからなんですね。
それだけ、世の中には「自身の過大評価」があふれ返っているのです。
「過大評価」は、現実よりも過大である、つまり現実をきちんと表していないことなので、いろいろと問題も起きます。
でも、これはもう人間の真理なので「みんな、自分を過大評価をしないようにしましょう!」と啓蒙してまわることは不可能です。みんな、自分だけはみんなより平均でいたいのです。
だから「あなたは自分を過大評価しすぎです」と言ってまわるのではなく、そういう相手にはどのような対応が効果的なのか、どのような仕組みだと効果的なのかを考えたほうがいいでしょう。
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