標高8000m。生存限界ギリギリの場所に行くと人間はどうなるのか?

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水の沸点といえば通常100度ですが、高い所に行けば行くほどその温度が下がることはよく知られています。それなら、上空2万メートルでは? 無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』にその答えが記されています。人間の体、大変なことになってしまうようです。

気圧が低くなるとどうなるの?

昨日のメルマガでは気圧と体調の関係を書きました。

「低気圧」が招く体調不良を徹底解明!対処法は意外とカンタン

低気圧が近づくとなんとなく体調が悪くなる…、そのメカニズムを考えてみました。これは地上にいるときの気圧の変化ですが、低気圧以外にも気圧が低くなる条件があります

私たちは大気という海の底にいるようなものですが、少しでも上に登っていくと…そう、押し付けている大気の量が減りますから、気圧は低くなります。おおよそですが、10m上に登ると約1hPa下がる、というのが目安です。100mだと約10hPa下がります。

富士山の山頂(3,776m)では630hPaという非常に低い気圧になります。これだけ気圧が低いと、たとえばうかつにインスタントコーヒーの袋などを開けてはいけません。気圧差が大きいので、一帯にコーヒーの粉を撒き散らすことになります。

また気圧が低いと、水の沸点(沸騰する温度、液体から気体に変わる温度)が低くなります。地上では100度ですが、富士山頂ではなんと87度で沸騰します。もし富士山頂でご飯を炊くと,半煮えになってしまいます。

もっと高くなるとどうなるでしょうか?

世界最高峰のエベレスト(8,848m)では気圧はおおよそ300hPaです。空気が約3分の1ほどしかないということで、それだけ酸素の吸入が困難になります。私たちは普段無意識に呼吸していますが、「吸う」ということを強く強く意識しないと、あっという間に酸欠になってしまいます。

一般に、8,000mより上の高さはデスゾーン」と言われます。人間の生存限界ギリギリなのです。睡眠は取れません。寝てしまうと、呼吸が浅くなり、酸欠で死んでしまいます。このぐらいの高さになると沸点はさらに下がり70度ぐらいです。

もっと上に登ればどうなるでしょうか?

上空2万mまで行った場合…、沸点が体温を下回ります。つまり、そのエリアに圧力をかけない状態でいると体温によって全身の水分が沸騰してしまうのです。宇宙飛行士が宇宙空間での作業にごつい宇宙服を着ていますが、酸素を供給することはもちろん、適切な圧力をかけることも必要なのです。

周りに当たり前のように存在する空気。だからこそ「空気のような存在」という言葉もありますが、実は空気が薄くなるだけでもこれだけの変化が起こるのですね。

image by: Shutterstock

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