東大が世界12位は順当なのか? 研究者から賞される大学ランキング

2016.05.18
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イギリスの「タイムズ・ハイアー・エデュケーション (Times Higher Education)」 が発表したWorld Reputation Rankings 2016で、日本の東京大学が第12位にランクインしました。日本では名門大学といえば、真っ先に挙げられるのが東大ですが、この世界的な順位結果をどう見るべきなのでしょうか。

研究者から賞される大学ランキングトップ20

世界大学評判ランキング (World Reputation Rankings) は、イギリスのタイムズが高等教育専門週刊誌「タイムズ・ハイアー・エデュケーション (Times Higher Education) 」で毎年5月に発表している大学ランキングです。

このランキングは、世界中10,000人以上の優秀な研究者を対象にした大学評判調査に基づいており、彼らの回答した自身の研究・教育分野においてベストだと思う大学 (15校まで) の集計結果によるものです。(以下参照:World Reputation Rankings) 

World Reputation Rankings 2016 トップ20

1位 ハーバード大学(アメリカ)

2位 マサチューセッツ工科大学(アメリカ)

3位 スタンフォード大学(アメリカ)

4位 ケンブリッジ大学(イギリス)

5位 オクスフォード大学(イギリス)

6位 カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ)

7位 プリンストン大学(アメリカ)

8位 エール大学(アメリカ)

9位 コロンビア大学(アメリカ)

10位 カリフォルニア工科大学(アメリカ)

11位 シカゴ大学(アメリカ)

12位 東京大学(日本)

13位 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(アメリカ)

14位 ミシガン大学(アメリカ)

15位 インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス)

16位 ペンシルベニア大学(アメリカ)

17位 コーネル大学(アメリカ)

18位 清華大学(中国)

19位 チューリッヒ工科大学(スイス)

20位 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(イギリス)

アジアの大学が急成長

毎年アングロサクソン系の大学が上位を占めるこのランキングですが、ここにきてアジア各国の大学がその順位を大きく伸ばしています。

昨年の10大学から18大学へとそのランキング入りの数を急増させたアジアの大学のなかでも、第12位にランクインし、アジアのトップとなった東京大学

次いでアジアからは昨年より8位アップした中国の清華大学 (第18位)11位アップの同国の北京大学 (第21位) という順位結果となっています。

日本、中国ともに昨年は100位以内に2大学のみをランク入りさせるにとどまった昨年に比べ、今年はそれぞれ5大学ずつランクインさせており、アジアの大学の躍進ぶりがうかがえます。

ちなみに韓国と香港は、それぞれソウル大学校と香港大学が同順で45位にランクイン、昨年の51₋60位圏内から揃ってランクアップです。

一方でヨーロッパ諸国はその順位を落としています

イギリスは10大学をランク入りさせ、例年通りアメリカに次いで2番目に多くの上位大学数を誇りますが、うちブリストル大学とダラム大学は100位圏外、ランクインした10大学中7大学がわずかにその順位を下げています。

他にもドイツやオランダの各大学もその順位の低下が目立ち、デンマークやフィンランドに関しては、昨年1大学づつランクインさせていたものの、今年はゼロという結果に。この違いはどこにあるのでしょうか。

ヨーロッパ諸国に比べて近年著しいアジアの大学の躍進ぶり

その勢いの理由を「大学システムの急伸と、アジアの大学の知名度向上の結果」と語るのは、キングス・カレッジ・ロンドンのポール・ブラックモア教授。

何年もの間、優位を占めてきたアングロサクソン系大学は、その地位を維持できなくなってきている」そうです。

また、香港の嶺南大学の副学長であり、比較政策が専門の莫家豪教授は、「研究能力の向上や国際ジャーナルへの採択に注力する大学同様、その地域の多くの研究機関による高等教育への多額出資が大きく影響している」と語ります。

「アジアの各教育機関が、経済や社会が変動するなかで、研究や知識移転、イノベーションやテクノロジーがいかに重要かという事実に気付いた今、この傾向はしばらく続くだろう」と莫教授は予測しています。

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記事提供:Entame Plex

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