アベノミクスの仕掛け人に重大疑惑。なぜ捜査に圧力をかけたのか?

arata20160908
 

「アベノミクスの仕掛け人」として知られ、8月の内閣改造で初入閣を果たした山本幸三地方創生相に大スキャンダルが発覚しました。一部週刊誌によると、衆院予算委の分科会において、知人が絡んだインサイダー取引捜査に圧力をかけるかのような質問を行い、さらに大臣は当時、その知人が関係する投資会社の代表取締役に就いていたとのこと。メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』の著者・新 恭さんはこの件について「解かねばならない謎はまだまだある」とし、国会における野党の厳しい追求を求めています。

アベノミクスを仕掛けた新大臣の重大疑惑

地方創生大臣として初入閣した山本幸三にかかわる見過ごせない記事が、週刊文春と週刊新潮、ライバル二誌の9月8日号に、掲載された。いずれも、内容はほぼ同じ。知り合いのエリート銀行員が金融業者にインサイダー情報を流し証券取引等監視委員会の強制調査を受けたことに対し、山本が国会質問のなかでクレームをつけた話を中心に、まとめられている。

山本幸三といえば、日銀にマネーをどんどん刷れ、とけしかけている「アベノミクスの狂信的応援団のひとりだが、ときに大蔵官僚時代からの過剰なエリート意識が災いするのか、人を小馬鹿にした言動をとる。だが、こういう人物ほど、タコツボにこもりやすく、怪しげな話に乗りやすい。

彼がブルーエコノミー・ホールディングという投資ファンド運営会社の代表取締役に就いたのは同社設立時の2010年3月11日のことだ。投資ファンドに資金を集め大儲けしようとたくらんでいた旧知の榊原康寛という人物に話を持ちかけられた。

「非常勤、無報酬かつ一時的」という条件で引き受けたと山本は週刊誌の記者に語っている。結局この会社はうまくいかず、実際に報酬を出すどころではなかったようだが、そもそも代表権のある社長までやって、そんな言い訳が通用するはずもない

ただ、山本らが儲かろうと儲かるまいと、そんなことはどうでもいい。問題はこの投資会社に、前述したインサイダー取引事件の金融業者とエリート銀行員がからんでいたということだ。金融業者は横浜市に住む加藤次成という。エリート銀行員とは三井住友銀行から子会社の日興コーディアル証券(現SMBC日興証券)に執行役員として出向していた吉岡宏芳のことである。

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