政府は堂々と意義を主張せよ!と…
【読売】は1面トップを外し、左肩からスタート。関連で3面の解説記事「スキャナー」と社説、あとは条文要旨と対象犯罪を13面に載せる。見出しを以下に。
1面
- テロ準備罪法案 国会提出
- 政府 成立要件を厳格化
3面
- 「共謀罪と別」強調
- 政府 対象・範囲絞る
- 野党「基準あいまい」
- 「社長殴ろう」同僚計画→不適用
- 政府は堂々と意義を主張せよ(社説)
uttiiの眼
いやはや恐れ入った。法案は「共謀罪」とは全く別だという政府の主張そのままに、法案を「テロ準備罪法案」と呼び、その認識をベースにして、各記事が書かれている。
社説に至っては“自民党政府応援紙”らしく、タイトルから「政府は堂々と意義を主張せよ」と完全な応援モード。法案がテロ対策のためだという政府の主張に微塵も疑いを挟まず、与党に批判された政府が慌てて「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」と書き加えたことについても、「修正により、テロ対策という立法の趣旨はより明確になったと言える」などと、超能天気なことを言っている。
挙げ句の果てに、公明党の主張に配慮した政府が対象犯罪を676から277に絞り込んだことに対しても、「政府は過去に「条約上、対象犯罪を限定することは難しい」と説明している。これとの整合性をどうとるかが課題だ」と、対象犯罪を元に戻せと言わんばかりの口吻。対象犯罪を減らしたことは、法案が実はテロ対策でも何でもないことを示している動かぬ証拠かもしれないのに、その方向には一切敷衍していない。また、政府が世論の批判を恐れて「共謀罪とは違う」ことばかり強調していると不満げで、「国民の安全確保に資する法案であると、堂々と主張すべきだ」と尻を叩き始める始末。批判精神の発揮のしどころを間違えているように感じられた。