小さな島国の「台湾」が、じわじわと経済成長できている理由

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経済的に豊かな国は、芸術・文化へ目を向ける余裕が出てくるものですが、それは日本のお隣、台湾でも例外ではありません。台湾出身の評論家・黄文雄さんは自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の中で、台湾が90年代以降に推し進めてきた「ソフトパワー」に次いて詳述。その象徴として、旧日本統治時代に建てられた歴史的建造物などが、次々と現代アートや若者たちの表現発表の場所として生まれ変わっているそうで、そのオススメのスポットを紹介しています。

【台湾】世界屈指の現代芸術推進国・台湾のソフトパワー

21世紀に入ってからの台湾はソフトパワーの増強にシフトしてきています。

戦後、日本経済が興起し、それに牽引される形でアジアNEEDSが登場し、台湾もその仲間入りを果たしました。

その後、90年代に入って日本経済がバブル崩壊によって弱まる前は、一時は日本と台湾が世界の株式市場で上位を競ったこともありました。そして、90年代以降のグローバリズムによりBRICsが台頭したことで、台湾の資本と技術は中国へと流れていき台湾国内は産業の空洞化減少が昂進し、IC王国の地位も失ってしまいました。

それでも、アジア通貨危機の際は、台湾は債権国として各国に資金を提供し、今でも債務国にはなっていません。日本が「失われた20年」を抱えているのに比べて、台湾の経済成長は低くても3%は維持してきています。この堅調な経済事情があるからこそ、台湾はソフトパワーにシフトすることができているのです。

2016年、国際インダストリアルデザイン団体協議会が運営する世界的な展示会ワールド・デザイン・キャピタル Taipei 2016(WDC Taipei 2016)」が台北で開催されました。WDCとは、国際インダストリアルデザイン団体協議会(ICSID)と国際グラフィック団体協議(ICOGRADA)により世界中の立候補都市から一つの都市が選出され、年間を通して「デザイン」を軸に様々なイベントを実施する、官民をあげての一大イベント。台北は世界で5番目の開催都市に決定しました。

台湾政府が現代芸術の育成に力を入れていることもあり、台湾の芸術家は政府からもバックアップされ飛躍的に向上し、いま世界中から台湾の現代芸術に注目が集まっています

そのため、台北市内には現代芸術に触れられるスポットがいくつもあり、気軽に訪れることができます。その外観は、それぞれがとても特徴的でオシャレな雰囲気を出しており、館内のカフェでのんびりと過ごすこともできるのです。そうした現代芸術に触れることができる代表的な場所をいくつかご紹介しましょう。

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