これぞ逃税。富裕層が「社団法人」を節税に利用するカラクリ

oomura20171218
 

国民すべてに等しく課せられている「納税の義務」、のはずなのですが…、法律の抜け穴を巧みに突いたやり口で、相続税や贈与税を逃れている不埒な人間もいるようです。今回のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では著者で元国税調査官の大村さんが、一般社団法人を利用して無税で財産を身内に移す手口や事業用の土地を10分の1以下の税額で相続する方法を紹介しています。

相続税の抜け穴~社団法人を使った逃税術とは?~

相続税の抜け穴に、「社団法人」というものがあります。「社団法人」というのは、剰余金の分配を目的としない法人のことです。社団法人というと、公益的な事業を行うようなイメージがありますが、必ずしもそうではありません。社団法人には、「公益社団法人」と「一般社団法人」というものがあり、「一般社団法人」が行う事業には、公益性は求められていません。つまりは公益性がなくても社団法人をつくることができるのです。

以前は、社団や財団というと、必ず公益性が求められていたのですが、平成20年12月1日に「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」という法律が施行され、公益性がなくても「一般財団法人」「一般社団法人」というものが、つくれるようになりました。「一般社団法人」は、普通にアパート経営をしたり、いろんな収益事業を行うなど、企業としての活動をしても構わないのです。ほとんど普通の法人会社)のようですね。

「一般社団法人」と普通の法人(企業)と何が違うのか、というと、「配当の分配をしない」ということです。普通の法人(企業)であれば、事業を行なって、利益が出れば株主に配当を支払います。しかし、社団法人の場合は、配当はさずに、利益は法人の中に貯め置かれるのです。一般社団法人と普通の法人の違いは、その点だけといってもいいでしょう。他にも若干の違いはありますが、もっとも特徴的な部分は、そこだけです。

そして以前は、社団というのは、官庁の許可がないとつくれませんでした。しかし、現在は、一定の要件さえ満たせば、誰でもつくれるようになったのです。一定の要件というのも、「発起人が2名以上いる」「登記をする」というくらいの簡単なものなのです。だから、つくろうと思えば誰でもつくれるのです。

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