コロナ下で停滞する日本株は買いか?天才投資家ジム・ロジャーズ氏は、長期なら米国よりも日本・中国に注目したいと発言しています。(『花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』花輪陽子)
※有料メルマガ『花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』2021年8月27日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
外資系投資銀行を経てFPに。2015年からシンガポールに移住。ジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』(講談社+α新書)をインタビュー監修。『シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」「有吉ゼミ」などテレビ出演や講演経験も多数。
コロナで下がった日本株は買いか
こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。
デルタ株の感染拡大懸念より先週から株式相場が不安的となり、特に日本株が大きく下がりました。
また、2月に日経平均が3万円を突破するのを受けて信用取引で買いを入れていた個人投資家も多かったようです。
8月決算発表の企業も多く、予想よりも利益が少なく、大きく売り込まれた銘柄もありました。
外資系金融機関の空売りと個人投資家の強制決済(投げ売り)が繰り広げられました。
※参考:お金がないけど株を買う、信用取引の落とし穴(花輪陽子) – 個人 – Yahoo!ニュース(2021年8月21日配信)
売りこまれ過ぎた日本株をこのタイミングで買うべきなのでしょうか。まずは、世界のマクロ環境から考えていきましょう。
コロナ危機が解消されればリバウンドする
先進国のPMI (Purchasing Manager’s Index:購買担当者景気指数)が拡大しており、ワクチン接種が進んでいない新興国のPMIは停滞をしています。
PMIとは企業の購買担当者らの景況感を集計した景気指標の1つ。一般的に鉱工業生産や雇用統計などの統計よりも景気先行性があるとされ、株式等の運用担当者の注目度が高い指標です。
米国の個人消費も直近は伸びが鈍化しているものの、年末まで底堅さが伺えます。
※参考:米7月小売売上高1.1%減、自動車落ち込む | ロイター(2021年8月17日配信)
米国では新規感染者数は増えているものの、入院割合は大きく減っています。英国でも新規感染者は多いものの、死者数は少なく抑えられています。イスラエルも同じです。
ワクチン接種の進展から米国、欧州での景気回復が進んでいるものの、コロナ優等生だったもののメッセンジャーRNAワクチンが進んでいない国の景気先行きが危ぶまれます。
日本に関してはデルタ株拡大時にオリンピックが重なり、緊急事態宣言の延長等厳しい状況となりました。
欧米市場と比べると日本市場が停滞しているように感じますが、コロナ感染が落ち着いたら回復することが予測されます。なぜなら、インド、インドネシアなどを見てもコロナ感染爆発は1~2ヶ月経過をすると必ず落ち着きを取り戻すからです。
10月にはワクチンの供給が解消され、国産ワクチンも来年には出てくる可能性もあります。ワクチン接種の進展と、感染をしたことのある人の数が増え、集団免疫獲得に近づくことが推測されます。
Next: 長期で考えるなら日本株と中国株?ジム・ロジャーズの見解
長期で考えるなら日本株と中国株?ジム・ロジャーズの見解
「悲観で買う、楽観で売る」という投資の格言があります。
下がると怖いので売ってしまい、上がると焦って買ってしまうことを繰り返すと、お金を減らすことにつながります。
保有している個別銘柄が1日で20%暴落したことも、暴騰したこともありますが、私は落ち着いていて何もしません。なぜなら、完全に当面の間使わない資金で購入をしており、十分に安い時期に買っているからです。
貴金属や中国の株式市場なども私のポートフォリオの中ではパフォーマンスが悪いですが、むしろ長期で考えると買い増したいと思います。
反対に、GAFAMなどの異常に高い値段になっている株価などは警戒をしています。米国の個人投資家や世界の投資家がGAFAやモデルナのような有名な銘柄にレバレッジをかけて集中して買い込んでいるからです。
逆回転した時の反動は非常に大きく20%暴落では済まないかもしれません。ジム・ロジャーズ氏は「株が落ちる時は、9割減になる時もある」とよく言っています。
短期で考えると米国市場や米ドルは素晴らしいですが、10年先を考えると、中国や貴金属に軍配が上がると考えるからです。
日本株に関しても、いま慌てて売る必要はまったくないと感じます。今は苦しくてもコロナの状況は必ずよくなるからです。そうすれば経済も回復をします。辛い時も心を穏やかに保ち、平常心を持ち続けることが大切です。
ジム・ロジャーズ氏も長期の考え方の人なので、特に大きく考え方を変えていないようです。週刊東洋経済にインタビューが掲載されていますが、米国よりも中国や日本に注目をしています。
※参考:「バブル崩壊後に備えて不況時に強い投資先を探せ」 – 週刊東洋経済プラス(2021年8月13日配信)
米ドルや米企業はバブルになっており、バブルが弾けた時に影響の少ない地域や株を探すべきだと解きます。
長期投資なら、その国の人口を考慮する
世界中が債務を増やし続けており、コロナが落ち着いて経済が回復をしても支出を減らそうとしない異常事態が続いています。
そんな中、中国やシンガポールなどは支出を減らし、金利を上げる準備をしているように感じます。
長期的に考えると、どちらが真っ当でしょうか。
私自身はシンガポールドルはキャッシュで持っていても安心できる通貨だと確信しています。健全な財政とアジアの富裕層のお金が集まり続けていることもあります。
また、長期投資をするうえでは世界の人口推計を考慮に入れる必要があります。日経新聞が特集を組んでいますが、参考になります。
※参考:経済成長・高齢化・移民… チャートで見る人口減の世界: 日本経済新聞(2021年8月22日配信)
こちらによると、2055年にアジアはピークを迎え、その後は人口増を牽引するのがアフリカになります。国別でも2050年の人口上位15カ国はインド、中国、ナイジェリア、米国、パキスタン、インドネシア、ブラジル、エチオピア、コンゴ、バングラデシュ、エジプト、メキシコ、フィリピン、ロシア、タンザニア……と、日本は消えています。
2100年にはナイジェリア、コンゴ、エチオピア、タンザニア、エジプト、アンゴラ、ニジェール等のアフリカが牽引し、その他の上位国はインド、中国、米国、パキスタン、インドネシア、ブラジル、バングラデシュ、フィリピン等に。完全に欧州の国は消えています。
長期で金融投資や不動産投資をする際には、人口動態が非常に重要になります。
Next: ジム・ロジャーズ氏「日本の不動産は絶対に買わない」
ジム・ロジャーズ氏「日本の不動産は絶対に買わない」
基本的に人口減の国では、一等地を除いては、空き家が出て不動産価格が下がる傾向にあります。
人口が増える国、移民を受け入れる国でないと、長期的な繁栄はあり得ません。なぜなら、1人あたりGDPに人口をかけた数字が、GDPという国力となるからです。
ロジャーズ氏は日本の不動産は絶対に買わないと言っています。その理由はシンプルで、人口が減るからということです。
シンガポールで就労ビザを取得するには
さて、コロナ下ですが、海外で働きたいという人も多いかもしれません。
シンガポールは欧米と比べると就労ビザが取得しやすい国です。英国に移住する知人がいますが、英国では一般に企業にスポンサーになってもらい、ビザの申請をしてもらいます。スポンサー企業になるために、企業側の申請もあるために時間がかかるようです。
トランプ政権時に米国に移住をした知人もいますが、米国でも会社設立と就労ビザの取得に時間がかかるうえにハードルが高いです。弁護士に手続きを依頼したり、数千万円の資金が必要になるとも言われています。
シンガポールでは自分で会社を設立し、その会社をスポンサーにしてビザを出すことが可能です。年々ハードルが上っているものの、まだ可能ではあります。具体的な方法はメルマガ内でご紹介いたします――
次回の配信内容
・バブルになっている債券投資はまだ有効か
・利息が安定的に出る債券ファンドは
※この項目は有料メルマガ購読者限定コンテンツです →いますぐ初月無料購読!
<初月無料購読ですぐ読める! 8月配信済みバックナンバー>
※2021年8月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。
- コロナで下がった日本株は買いか/シンガポールで就労ビザを取得するには(8/27)
- シンガポールで永住権を取るには/中国への投資は可能か 海外機関投資家の見解(8/13)
※有料メルマガ『花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』2021年8月27日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
<こちらも必読! 1月単位で購入できるバックナンバー>
※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込990円)。
- 来たるべきスタグフレーションに備えるには 今、熱い世界の個別株を4社ピックアップ(7/23)
- 夏は株価が下がりやすいというアノマリー こんな時期に仕込んでおきたい高配当シンガポール株とREIT(7/16)
- プライベートバンカーに嫌われる人の3つの特徴/今、投資すべきセクター、注目のオフショアファンドは(7/9)
- 素人がうかつに買ってはいけない金融商品 情報の非対称性を見抜く方法(6/25)
- 割高な米国株、日本含むアジアの株の割合を高めるべき時(6/11)
- インフレに打ち勝つポートフォリオの作り方 日本円現金は最悪!?(5/28)
- バブル崩壊に備える3つの方法 天才投資家たちはいくつもの危険なシグナルを掴んでいる(5/14)
- この1年間でパフォーマンスがよかったファンドは ポートフォリオの作り方 巻末特典動画(4/23)
- 日本円の現金保有が一番割高になる時代(4/9)
- 世界経済が歩む道を大局的に読み解く レイ・ダリオ氏、ジム・ロジャーズ氏が予測する大転換の時代とは(3/26)
- 東南アジア成長国を活用した資産形成 3/25(木)日本時間19時無料Zoomセミナー(3/23)
- バブル崩壊の前兆をどのように掴むべきか ジム・ロジャーズ氏にも聞いた(3/12)
- なぜ日本人はスイスのファミリーオフィス、プライベートバンクを好むのか スイスの銀行の謎を紐解く(2/26)
- 次のテスラに投資したい アメリカの未上場株式に投資する方法 ジム・ロジャーズ氏が買っている日本株の〇〇は(2/12)
- アップル、テスラなどは割高 Alphabet、Amazon、Facebook、Microsoftなどはまだ割安(1/22)
- 2020年好成績だったファンド、ETFの一覧を公開(1/8)
- 2021年、株式相場の行方は アセットアロケーションを見直すべき?(12/25)
- 株式バブルはいつ崩壊するのか バイデン政権でベア相場到来は早まる(12/11)
- 1億円作った人たちがやっているごくシンプルなこと(11/27)
- 大統領選挙で株式相場はどうなるのか ワクチン開発でバリュー株が上昇するか(11/13)
- 注目をしたい米国ハイテクETF ハイテク界でのバフェット(10/23)
- 10/24 Zoomセミナー FP花輪陽子氏×不動産会社社長が語る!ウィズコロナ時代のマネープランニング(10/11)
- お金持ちへの近道はどっち?プロにお任せをするか、自分で運用をするか 億り人になるために、種銭を作る方法(10/9)
- コロナからいち早く回復をしている中国に投資をしたい(9/25)
- バフェットのポートフォリオから学ぶ 理想的な株式のポートフォリオは(9/11)
- 東南アジア、ヨーロッパ、オセアニアなど移住がしやすい国は(8/28)
- どうなる金と銀相場!シンガポールで注目のEAMビジネス(8/14)
- 誰でも出来る!?コロナ危機でも資産が増えた富裕層たちの資産運用術 8/23 11AM(日本時間)Zoomセミナー(7/31)
- 世界のREITなどに投資をして効率よく配当をもらう方法は(7/24)
- コロナ危機が境目?金持ち父さん、貧乏父さんの分かれ道(7/10)
- コロナ競売物件などお得な案件を知りたい(6/26)
- ポストコロナのポートフォリオの見直し方(6/12)
- ポストコロナの金融機関の選び方 国外の銀行の方が安全?(5/22)
- ポストコロナの世界経済と株式市場の予測(5/8)
- 株式市場は底を打ったのか?(4/24)
- 人生で絶好の買い場が来る?買いのシグナルは?(4/10)
- 日本でも急増中! 最新の投資詐欺情報(3/27)
- タックスヘイブンに住んでいる富裕層の正体(3/13)
- 海外の最新フィンテック事情 注目のサブアカウントとは(2/28)
- 約200年の歴史 知られざる、スイスのプライベートバンクの実態(2/14)
『花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』(2021年8月27日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中
花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編
[月額990円(税込) 毎月第2金曜日・第4金曜日予定]
シンガポール富裕層の教えを受けて、駐在妻から海外で起業と資産運用を実践。読者の皆さんの一歩先を行くメンターとして、FPという専門家としても、メルマガで実践的なノウハウを提供。Q&Aにも回答。