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ジム・ロジャーズ、なぜ停滞する日本株を高評価?長期なら米国株より未来明るく=花輪陽子

コロナ下で停滞する日本株は買いか?天才投資家ジム・ロジャーズ氏は、長期なら米国よりも日本・中国に注目したいと発言しています。(『花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』花輪陽子)

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プロフィール:花輪陽子(はなわ ようこ)
外資系投資銀行を経てFPに。2015年からシンガポールに移住。ジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』(講談社+α新書)をインタビュー監修。『シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」「有吉ゼミ」などテレビ出演や講演経験も多数。

コロナで下がった日本株は買いか

こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。

デルタ株の感染拡大懸念より先週から株式相場が不安的となり、特に日本株が大きく下がりました。

また、2月に日経平均が3万円を突破するのを受けて信用取引で買いを入れていた個人投資家も多かったようです。

8月決算発表の企業も多く、予想よりも利益が少なく、大きく売り込まれた銘柄もありました。

外資系金融機関の空売りと個人投資家の強制決済(投げ売り)が繰り広げられました。
※参考:お金がないけど株を買う、信用取引の落とし穴(花輪陽子) – 個人 – Yahoo!ニュース(2021年8月21日配信)

売りこまれ過ぎた日本株をこのタイミングで買うべきなのでしょうか。まずは、世界のマクロ環境から考えていきましょう。

コロナ危機が解消されればリバウンドする

先進国のPMI (Purchasing Manager’s Index:購買担当者景気指数)が拡大しており、ワクチン接種が進んでいない新興国のPMIは停滞をしています。

PMIとは企業の購買担当者らの景況感を集計した景気指標の1つ。一般的に鉱工業生産や雇用統計などの統計よりも景気先行性があるとされ、株式等の運用担当者の注目度が高い指標です。

米国の個人消費も直近は伸びが鈍化しているものの、年末まで底堅さが伺えます。
※参考:米7月小売売上高1.1%減、自動車落ち込む | ロイター(2021年8月17日配信)

米国では新規感染者数は増えているものの、入院割合は大きく減っています。英国でも新規感染者は多いものの、死者数は少なく抑えられています。イスラエルも同じです。

ワクチン接種の進展から米国、欧州での景気回復が進んでいるものの、コロナ優等生だったもののメッセンジャーRNAワクチンが進んでいない国の景気先行きが危ぶまれます。

日本に関してはデルタ株拡大時にオリンピックが重なり、緊急事態宣言の延長等厳しい状況となりました。

欧米市場と比べると日本市場が停滞しているように感じますが、コロナ感染が落ち着いたら回復することが予測されます。なぜなら、インド、インドネシアなどを見てもコロナ感染爆発は1~2ヶ月経過をすると必ず落ち着きを取り戻すからです。

10月にはワクチンの供給が解消され、国産ワクチンも来年には出てくる可能性もあります。ワクチン接種の進展と、感染をしたことのある人の数が増え、集団免疫獲得に近づくことが推測されます。

Next: 長期で考えるなら日本株と中国株?ジム・ロジャーズの見解



長期で考えるなら日本株と中国株?ジム・ロジャーズの見解

「悲観で買う、楽観で売る」という投資の格言があります。

下がると怖いので売ってしまい、上がると焦って買ってしまうことを繰り返すと、お金を減らすことにつながります。

保有している個別銘柄が1日で20%暴落したことも、暴騰したこともありますが、私は落ち着いていて何もしません。なぜなら、完全に当面の間使わない資金で購入をしており、十分に安い時期に買っているからです。

貴金属や中国の株式市場なども私のポートフォリオの中ではパフォーマンスが悪いですが、むしろ長期で考えると買い増したいと思います。

反対に、GAFAMなどの異常に高い値段になっている株価などは警戒をしています。米国の個人投資家や世界の投資家がGAFAやモデルナのような有名な銘柄にレバレッジをかけて集中して買い込んでいるからです。

逆回転した時の反動は非常に大きく20%暴落では済まないかもしれません。ジム・ロジャーズ氏は「株が落ちる時は、9割減になる時もある」とよく言っています。

短期で考えると米国市場や米ドルは素晴らしいですが、10年先を考えると、中国や貴金属に軍配が上がると考えるからです。

日本株に関しても、いま慌てて売る必要はまったくないと感じます。今は苦しくてもコロナの状況は必ずよくなるからです。そうすれば経済も回復をします。辛い時も心を穏やかに保ち、平常心を持ち続けることが大切です。

ジム・ロジャーズ氏も長期の考え方の人なので、特に大きく考え方を変えていないようです。週刊東洋経済にインタビューが掲載されていますが、米国よりも中国や日本に注目をしています。
※参考:「バブル崩壊後に備えて不況時に強い投資先を探せ」 – 週刊東洋経済プラス(2021年8月13日配信)

米ドルや米企業はバブルになっており、バブルが弾けた時に影響の少ない地域や株を探すべきだと解きます。

長期投資なら、その国の人口を考慮する

世界中が債務を増やし続けており、コロナが落ち着いて経済が回復をしても支出を減らそうとしない異常事態が続いています。

そんな中、中国やシンガポールなどは支出を減らし、金利を上げる準備をしているように感じます。

長期的に考えると、どちらが真っ当でしょうか。

私自身はシンガポールドルはキャッシュで持っていても安心できる通貨だと確信しています。健全な財政とアジアの富裕層のお金が集まり続けていることもあります。

また、長期投資をするうえでは世界の人口推計を考慮に入れる必要があります。日経新聞が特集を組んでいますが、参考になります。
※参考:経済成長・高齢化・移民… チャートで見る人口減の世界: 日本経済新聞(2021年8月22日配信)

こちらによると、2055年にアジアはピークを迎え、その後は人口増を牽引するのがアフリカになります。国別でも2050年の人口上位15カ国はインド、中国、ナイジェリア、米国、パキスタン、インドネシア、ブラジル、エチオピア、コンゴ、バングラデシュ、エジプト、メキシコ、フィリピン、ロシア、タンザニア……と、日本は消えています。

2100年にはナイジェリア、コンゴ、エチオピア、タンザニア、エジプト、アンゴラ、ニジェール等のアフリカが牽引し、その他の上位国はインド、中国、米国、パキスタン、インドネシア、ブラジル、バングラデシュ、フィリピン等に。完全に欧州の国は消えています。

長期で金融投資や不動産投資をする際には、人口動態が非常に重要になります。

Next: ジム・ロジャーズ氏「日本の不動産は絶対に買わない」



ジム・ロジャーズ氏「日本の不動産は絶対に買わない」

基本的に人口減の国では、一等地を除いては、空き家が出て不動産価格が下がる傾向にあります。

人口が増える国、移民を受け入れる国でないと、長期的な繁栄はあり得ません。なぜなら、1人あたりGDPに人口をかけた数字が、GDPという国力となるからです。

ロジャーズ氏は日本の不動産は絶対に買わないと言っています。その理由はシンプルで、人口が減るからということです。

シンガポールで就労ビザを取得するには

さて、コロナ下ですが、海外で働きたいという人も多いかもしれません。

シンガポールは欧米と比べると就労ビザが取得しやすい国です。英国に移住する知人がいますが、英国では一般に企業にスポンサーになってもらい、ビザの申請をしてもらいます。スポンサー企業になるために、企業側の申請もあるために時間がかかるようです。

トランプ政権時に米国に移住をした知人もいますが、米国でも会社設立と就労ビザの取得に時間がかかるうえにハードルが高いです。弁護士に手続きを依頼したり、数千万円の資金が必要になるとも言われています。

シンガポールでは自分で会社を設立し、その会社をスポンサーにしてビザを出すことが可能です。年々ハードルが上っているものの、まだ可能ではあります。具体的な方法はメルマガ内でご紹介いたします――

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  • シンガポールで永住権を取るには/中国への投資は可能か 海外機関投資家の見解(8/13)

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image by:el_cigarrito / Shutterstock.com

花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』(2021年8月27日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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