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コンビニなら「楽天ペイ」一択? 消費増税後のキャッシュレス還元で勝ち組になる方法=岩田昭男

10月1日からの「キャッシュレス・消費者還元事業」の対応をコード決済事業者が次々と発表している。消費増税の負担をもっとも軽減してくれる決済方法は何か?(『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』岩田昭男)

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プロフィール:岩田昭男(いわたあきお)
消費生活評論家。1952年生まれ。早稲田大学卒業。月刊誌記者などを経て独立。クレジットカード研究歴30年。電子マネー、デビットカード、共通ポイントなどにも詳しい。著書に「Suica一人勝ちの秘密」「信用力格差社会」「O2Oの衝撃」など。

大手コンビニに強い楽天ペイ、最大8%還元でPayPayを迎え撃つ

還元合戦がはじまった

10月1日からの「キャッシュレス・消費者還元事業」の対応をQRコード決済各社が次々と発表しています。

政府は、「キャッシュレス・消費者還元事業」の対象店舗に対して、2020年6月末までの9カ月間5%ポイント還元(フランチャイズチェーン店は2%)を行いますが、QRコード各社はその事業スキームに独自サービスを加えて、この機会に顧客基盤を広げようと知恵を絞っています。

その派手な駆け引きが連日ワイドショーに取り上げられて話題になっています。

オリガミペイは得意の「即時割引」でアピール

9月20日に発表されたのがオリガミペイです。オリガミペイはこれまで即時割引サービスを打ち出して人気を博してきましたが、今回もその方針は変わりません。

いつでもその場で3%OFF」キャンペーン(実施期間は2019年10月1日〜2020年1月31日)として継続して行くことになりました。

その内容は、「キャッシュレス・消費者還元事業」の対象店舗において、オリガミペイの支払いで、政府の5%ポイント還元(フランチャイズチェーンでは2%ポイント還元。最大還元2,000ポイント)を得られるだけでなく、3%の即時割引(最大割引額3,000円)も受けられ、両方で合計8%のポイント還元になるというもの。

PayPayの「消費者還元事業」対象店舗の10%ポイント還元には及びませんが、3%の即時割引があるので、ポイントを貯めるのが億劫で、すぐにお得を取りたい人にはおすすめです。

また、新規ユーザーを対象に50%OFFクーポン(上限500円)が抽選でもらえる「Origamiでキャッシュレスデビューを応援キャンペーン」も同時開催されます(キャンペーン期間は2019年10月1日〜2019年10月31日)。

オリガミペイは全国の地銀や信用金庫と組んで銀行系ペイの発行をサポートする戦略でQRコード決済の普及に努めています。その点では地方で広がりを見せるPayPayとの競争が激しくなるかもしれません。

Next: 大手コンビニに強い楽天ペイ、最大「8%還元」でPayPayを迎え撃つ



楽天ペイは「上限なし」

前回、楽天ペイの対応については述べましたが、若干状況が変わってきましたので、改めて報告します。

【関連】還元率のPayPayか、店舗数の楽天ペイか。10月開始「キャッシュレス還元事業」で損しない方法=岩田昭男

楽天ペイの「キャッシュレス・消費者還元事業」での上限は1回当たり2万5,000ポイント。つまり50万円を使えば、2万5,000ポイントの還元です。

しかも、月あたり上限なし。この「条件なし」という部分で注目を浴びました。月に何回でも加算できるから青天井と期待されています。

PayPayは「10%還元」

ただし、後から詳細を出してきたPayPay「消費者還元事業5%」+「キャンペーン5%」=10%還元という高還元を打ち出しました。

これに比べると全体の迫力に欠けると言う声があり、楽天ペイは見直しを迫られました。

楽天ペイはコンビニで使おう

その結果出てきたのが、【「楽天ペイ」導入全店舗で5%還元となるキャンペーン】(第1弾 2019年10月1日〜2019年12月2日まで)です。

このキャンペーンが画期的なのは、他社はいずれも中小・小規模事業者だけを対象としているのに対して、その枠を取り払い、大手を含めた楽天ペイ導入全店を対象としたところです(筆者注:中小店での還元はエントリー不要ですが、楽天ペイ導入全店還元はエントリーが必要です)。

これまで恩恵のなかった大手企業や一部チェーン店、百貨店でも5%還元になりますから見逃せません。

それ以上に魅力なのは、ローソンセブンイレブンファミリーマートといった大手コンビニでの利用で、コンビニで実施される2%のポイント即時充当に加えて、楽天ペイで「5%還元」がそのまま適用されることです。

つまり、コンビニ各社の2%即時充当が適用された価格に、「楽天ペイ(アプリ決済)」で支払えば、追加で5%の還元を受けることが可能となります。

さらに「楽天カード」が「楽天ペイ(アプリ決済)」に紐づいていたならば、「楽天カード」利用分の通常のボイント還元(1%)も、受けることができます。

すると還元率は、2%+5%+1%となり、合計8%のお得を取ることができます。これは高還元率といえます。

Next: なぜこんなに難解な仕組みに?大手コンビニの還元策は「楽天ペイ」頼み



コンビニでも楽天ポイントがざくざく貯まる?

例えば、ローソンで還元対象商品1,000円(税込)の商品を購入した場合を考えましょう。

1,000円の2%にあたる「20円」がローソンのポイント即時充当として適用され、980円の支払いとなります。

これを「楽天ペイ(アプリ決済)」で支払えば、、980円の5%分にあたる「49円」相当の「楽天スーパーポイント」がもらえます。

さらに「楽天カード」が支払元に設定されていれば、980円の1%分にあたる「9円」相当の「楽天スーパーポイント」ももらえます。

合計すると、現金で支払うよりも「78円」相当 (58円相当ポイント+20円分の値引き) もお得となります(この場合7.8%分!)。

なぜこんなことになるかというと、ローソン、ファミリーマート、セブンイレブンが「準B型決済事業者」で登録されていて、国からフランチャイジーである(本部)に直接補助金が支払われるため、還元の対象外となるからです。

したがって、「楽天ペイ(アプリ決済)」全店舗5%還元キャンペーンでは、コンビニ大手は、楽天ペイ(アプリ決済)が5%還元を行う対象となるのです。

少々難解な仕組みですが、楽天ペイは、10月1日からセブンイレブンでも使えるようになるので、タイミングはドンピシャ。コンビニでは強さを発揮しそうです。

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2019年9月26日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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