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新型肺炎のピークは4〜5月?感染者すでに4万人の試算で見えた東京五輪中止と経済損失=今市太郎

新型肺炎の感染者は潜伏期間を含めるとすでに4万人を超えており、ピークは4〜5月頃との報道が出ました。そうなった場合、東京五輪の開催可否はどう判断されるのでしょうか。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2020年1月29日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバッグナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

日本人の負債に?パンデミック下では、経済効果より損失の算定を

もうパンデミックは止められない?

コロナウイルスの発症は中国全土に広がっており、カナダをはじめとして海外でも発症者が増え始めている状況です。

WHOは非常事態宣言を出すためには人から人への感染の可否を重視したようですが、どうもヒトヒト感染は国内外で見つかり始めており、最悪の事態が進行中です。

現状ではこれといった特効薬があるわけではない中で、どうやって感染を食い止めるのかが世界的な問題になりつつあります。

国内では武漢への渡航歴のないバスの運転手の男性が発病しており、完全に人から人に感染することが証明されています。

ピークは4〜5月、感染者はすでに4万人以上に?

そんな中、香港大の梁卓偉・医学院長は、武漢におけるウイルス感染者は潜伏期の感染者も含めると約4万4千人にのぼる可能性があると発表。

さらに今後、感染者は重慶・北京・上海・広州などで急増した後、4〜5月ごろにピークを迎え、6月ごろから減少するとの見方を示しています。

もちろん試算に過ぎませんから、この通りの動きになるかどうかはまったく判りません。

また予想を超えた拡散になる可能性は高く、周辺国への飛び火もどうやら避けられない事態になってきていることは鮮明な状況です。

東京五輪「中止」の可能性

ここで注目されるのが、5月に新型肺炎のピークが世界的に起きた場合に、東京オリンピック・パラリンピックの開催の可否がどう判断されるかです。

7月24日の開会式の前までに鎮静化する可能性も残されますが、開催2か月前のあたりにピークに達した場合には、選手・観客ともに東京へやってこなくなる可能性は相当高くなります。

こうなると、まさかの中止も視野に入れていく必要が出てきているように思われます。

Next: 心を1つに全員団結して「開催中止」を決断すべき?



心を1つに全員団結して「開催中止」か

年明け、日本オリンピック委員会・JOCは、「がんばれ!ニッポン!全員団結プロジェクト」なる、いささか時代錯誤で、戦前のファッショ的な臭いプンプンのスローガンを掲げ、国民全員に五輪への参加を強要するかのような精神論を展開して炎上することとなりました。
※参考:がんばれ!ニッポン!全員団結プロジェクト – JOC

どうやら国民がいま団結して成し遂げなければならないのは、史上稀にみるパンデミック拡散の中にあって、勇気をもって東京五輪の開催を中止せざるを得ないところにさしかかっているように見えます。

JOCの告知内容を引用させていただけば、こういうことになるのでしょう。

団結。それは人々が力を合わせ、強く結びつくこと。
しかしそれにより処置不能のウイルスが世界にさらに拡散する場にしてしまっては何の意味もない。
じっとしていても、何もはじまらない。
勇気を出してオリンピックの開催を中止しよう。
そうすればきっとあなたの中で何かが変わる。
みんなで手をつなげばきっと、世界的にものすごいウイルスの拡散が生まれ世界は壊滅する。
心をひとつに、全員団結!
さあ、開催中止を決断しろ!ニッポン!

という感じでしょうか…。

こうした内容をご覧になると、感情的になって開催強硬を声高に発する向きも多くなるとは思います。

しかし、少し冷静に考えてみた場合、仮に開催国が強硬したとしても、選手・役員・観客といった参加者がそもそもまともに来日しなくなれば、自ずと開催はできなくなります。

この時点で、新型肺炎発症者が激増している国からの人々の来日を阻止することができないならば、自動的に誰も参加しなくなるのは間違いなさそうです。

強硬開催したところで、オリンピックとしての体をなさないリスクは容易に想定できるところです。

残念ながらこの問題は開催国だけの判断にはよらない、きわめて重要な世界的世論とリンクしていることを忘れてはなりません。

国内だけ団結してみても、何も状況を変えることはできないことは、しっかり理解することが重要です。

よくわかりませんが、IOC自体が中止を決定することも十分ありうるということです。

Next: 五輪が日本人の負債に? パンデミック下では、経済効果よりも損失の算定を



パンデミック下の実施では経済効果より損失を算定すべき

当メルマガでは、昨年11月にも東京五輪の経済効果の算定がいささか盛り過ぎなのではないか、という指摘をさせていただきました。

最終的に語られてきた30兆円の経済効果なるものも、付随効果とか付帯効果、挙句にはドリーム効果などという荒唐無稽な価値はすべて剥落することになるでしょうし、むしろ強硬開催による経済損失を算定・考慮しなくてはならない段階が差し迫っています。

すでにこの五輪の実施に向けて莫大な税金が投入されてしまっているわけですが、そもそもこれがほとんど負債になりかねない状況にあるわけです。

安倍総理大臣は1月20日、衆参両院の本会議で施政方針演説を行い、東京オリンピック・パラリンピックについて、「日本全体が力を合わせて、世界中に感動を与える最高の大会」にすると成功への決意を示しています。

しかし、かかる状況で強硬開催をすれば、1億2,000万の国民をパンデミックリスクに突き落とすことになりかねないだけに、相当慎重な判断が求められる、かつてないようなクリティカルなタイミングを迎えることになります。

安倍政権にとっても正念場

巷では、いつまで桜の会のことを国会で議論しているのかという批判も飛び交っているようです。

さればぜひ、この五輪の開催中止をどのタイミングでいかなる要件が揃った時に決断されるのか、早期に決定していただきたいところです。

なにを大げさなことを言うかと怒る方はよく現実を見直していただきたい。じきに嫌でも、こうした判断をせざるを得ない状況がやってきます。

ここで安倍政権が判断を間違えれば、世界的な禍根を残すことになりますし、なにより国内に多大なパンデミックの経済・社会損失をもたらすことになってしまいます。

とんでもないところから、この政権に正念場が迫ってきているのです。

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2020年1月配信分
  • 新型肺炎ピークは4、5月で見えてきたまさかの東京五輪中止(1/29)
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今市太郎の戦略的FX投資』(2020年1月29日号)より抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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