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トランプ復活の茶番を誰が信じる?バイデン圧勝を見込んで米国株は上昇へ=藤井まり子

トランプ劇場はコロナ陽性からの復活という「見せ場」を演じてくれました。しかしこの一連の醜態で、バイデン勝利はほぼ確実になったと言えるでしょう。日米株式市場のリスクは払拭され、10月からじわじわと上昇へ向かいます。(『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』藤井まり子)

※本記事は有料メルマガ『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』2020年10月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

「コロナからの復活」という選挙戦略

またもやトランプが「見せ場」を作ってくれました。世界中の人々の目が再び「トランプ劇場」に釘付けになっています。とうとう「あのトランプ大統領自身が新型コロナに感染!」という展開です。

「タフガイ」を自認して、強がってマスクもかけないで集会へ出席していたわけですから、こんな結果になるのも「時間の問題」、当然と言えば当然のこと。

さらには、トランプ大統領を中心に「ホワイトハウスそのものがクラスターになる」という「目も当てられないような醜態」まで晒しています。

さらにさらに、72時間後の4日目(日本時間10月6日の朝)には、「奇跡の退院」を見せてくれました。奇跡というよりも、「命知らず」「無謀」「無責任」と言うべきか.。

目下のところ、氏の病状については、おそらく大統領自身と最側近の切望から来る「軽症説」と、「肺への広がりの可能性を示唆する重症説」とが、錯綜しています。

今回の大統領選挙では、トランプ政権側は大変著名かつ優秀な選挙プロデューサー数人を雇っています。このプロデューサーたちの立場からは、新型コロナからわずか3日で不死鳥のように蘇ったトランプは「真の不屈にして勇敢、最強の男だ!」という、勝利へのストーリー展開を仕立て挙げて、敗色が濃くなり始めた大統領選を「一発逆転の大どんでん返し劇場」へと持って行きたいところでしょう。

もちろん、この「勝利へのストーリー」には、トランプ大統領も同意しているでしょう。

本当に無事なのか?プロレス興行さながらの「トランプ劇場」

ところが、大統領に使用される薬剤は、抗体ウィルスワクチンからレムデシビル、そしてステロイド薬デキサメタゾンへと、どんどん副作用が強いものへとシフトしていっています。

おそらく、トランプ大統領は軽症ではないでしょう。

アメリカは、ロシアに負けず劣らずの「ドーピングのメッカ」であります。怪しい麻薬を投与されたとおぼしき大統領が、気力を振り絞って、公用車で支持者の前へ姿を現したり、退院と同時にホワイトハウスのベランダでしばしの直立敬礼を見せてくれたりしています。

大丈夫なのでしょうか?ほんと、派手なプロレス興行みたいですが、これはリアルです。

「派手な人は、死に方まで派手」といったジンクスをかつて聞いたことがありますが、今回の場合はどうなんでしょう.。見世物とは言え、ちょっと心配ですね。

はてさて、4年に及ぶトランプ劇場、終盤に近づくにつれ、もっともっと「派手な展開」をわたし達に見せてくれるのかもしれません。

Next: バイデン勝利はほぼ確実?10月の株価は再び上昇を開始する



バイデン勝利はほぼ確実?10月の株価は再び上昇トレンドへ

しかしながら、どんなにトランプ大統領が不屈の精神で頑張っても、これほどの醜態を晒してしまったのですから、「バイデン勝利」はほぼ確実でしょう。

10月5日のアメリカ株式市場は、「バイデン圧勝の確率が高まって、大統領選『後』の不透明感が払拭された」として、アメリカ株は大幅高を演じました。

今回の大統領選挙ではトランプ、バイデンのどちらが勝っても、「さらなる大規模財政出動+減税」vs「もっと大規模なさらなる財政出動+増税」との戦いなので、中長期のアメリカ株価の大
勢には、もはやたいした影響は無いでしょう。

私はこの10月も、アメリカ株式市場は「バイデン圧勝」を見込んでじりじりと上昇を続けると見ています。

当メルマガでは繰り返しお伝えしていますが、来年2021年、ワクチンが世界中に行き渡り始めれば、世界経済は「黄金の1950年代のような好景気」にわき始めることでしょう。2021年のアメリカ株式市場は、5%~10%の上昇をすると見ています。

ひるがえって、2020年10月。株価の動きから眺めると、株価の「下値」を探る「地固め」もほぼ
終了し、9月末日で「健全調整」はほぼ完了したと見てよいでしょう。

日米株価が足踏みしていた2つの理由

トランプ大統領が新型コロナを発症するまでは、10月月初のアメリカ株式市場も日本株式市場も「一進一退」の膠着(こうちゃく)状態でした。

10月2日までのアメリカ株式市場が膠着状態にあったのは、以下の「2つの懸念」があったためです。

1)さらなる追加の財政刺激策が大統領選挙「後」にならないと上院を通過しないと見られているので、なかなか上昇できなかった

2)11月上旬の大統領選挙でバイデンが「僅差で」勝利した場合、選挙当日以降も長い間「誰が大統領なのか?」の結果が確定しない懸念があったので、なかなか上昇できなかった

(1)の「追加の財政刺激策」については、1.6兆ドルから2.2兆ドルの間で決着が付きそうです。しかし、「決着は大統領選挙『後』にならないと付かないだろう」というのが、マーケット・コンセンサス(=大方の市場関係者の見方)になっています。

一方、(2)の「選挙結果が長い間確定しない」可能性については、選挙で「(圧勝ではなく)僅差で」バイデン勝利となった場合、トランプ現大統領が選挙結果に「不正があった!」と「不服」を申し立てる心配がありました。この場合、最高裁判所まで争いが続く可能性もありました。

だらだらと「アメリカ合衆国の大統領が誰なのか?」なかなか確定しない時間が続くかも知れなかったのです。

選挙後も「大統領が決まらない」リスクにご用心

最悪の場合、最高裁判決が「バイデン勝利」としても、トランプ現大統領が軍隊を出動させてホワイトハウスを占拠する可能性もありました。さらに、トランプの占拠に呼応するかのように、各地で極右勢力が暴動を起こす可能性もありました。

私個人も、「トランプ大統領の人格」はまるで信用できないので、「軍隊出動の可能性」「暴動の可能性」については、「テイルリスク(可能性は低いけれども、起きてしまったら株価の暴落を引き起こすかも知れない重大なリスク)」として、「大変恐ろしいことだけど0%ではない」と感じていました。「民主主義を標榜する先進国での権力の委譲」で、前代未聞の「独裁者による軍隊出動」といった、突拍子のない「珍現象」が起きる可能性が、ゼロ%ではないかも知れなかったのです。

万が一、こんな珍事件が発生したら、「トリプル安(ドル安・アメリカドル国債売りの長期金利上昇・アメリカ株安)」が巻き起きて、グローバル規模でのリスクオフが巻こる可能性があったのです。

Next: トランプ醜態で「バイデン圧勝」確率が急上昇。それでもまだ要注意?



「トランプの醜態」をアメリカ国民はどう受け止めるか?

かくして、「トランプの醜態」のおかげで、「バイデン圧勝」の可能性が高まり、大統領選挙『後』の不透明感は急速に晴れ始めています。

10月5日、大統領選挙「後」の不透明感が晴れて、アメリカ株は大幅上昇しました。繰り返しになりますが、このまま大統領選でバイデンが大きくトランプをリードし続けるならば、10月においても株価はじりじりと上昇し続けることでしょう。

とはいえ、トランプ大統領は急遽「奇跡の退院」という暴挙に出たのはご存知の通り。「ドラマ仕立て」のように、大統領は「不屈で勇敢、最強の男」として今後の大統領選を戦うことでしょう。

もしかするとひょっとすると、可能性は低いですが、トランプ大統領が大きく支持率を挽回する事態が起きるかもしれません…。もしかするとひょっとすると、大統領選挙「後」の不透明感が再び戻ってくるかもしれません。

可能性としては低いものの、もしかするとひょっとすると、トランプ大統領の「命を賭しての大どんでん返し」のドラマが大衆のトランプ支持を集めて、選挙当日の「後(あと)」も、「誰が大統領なのか?」の「選挙結果が長い間確定しない」可能性を再び高まるかもしれません…。

「トランプ劇場」、まだまだ何が飛び出すかは分かりません。このあたりはまだまだ要注意です。

2020年末の株価目標

「トランプ劇場」がどんな形であれ終われば、バイデン圧勝であれトランプ勝利であれ、中長期でのアメリカ株式市場は、選挙「後」にはおおむね膠着状態を脱皮して上昇トレンドに乗ることでしょう。2020年末のS&P500の株価目標は、3,300~3,600ポイントです。

一方、日本株式市場。日本株式市場は、アメリカ株の動向をあまり受けなくなりました――

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【要注意】資産形成および投資は、必ず「自己責任」でお願いします。この記事は藤井まり子の個人的見解を述べたもので、当メルマガ及び記事を読むことで何らかの経済的及び精神的被害を被ったとしても、当方は一切責任を負いません。

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2020年10月配信分
  • 「最大の醜態」を演じる「トランプ劇場」~「バイデン圧勝」はほぼ確実化!?~(10/6)
  • アメリカや日本の株価の「膠着状態」を破るものは何か?(10/2)

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image by:Evan El-Amin | mark reinstein / Shutterstock.com

藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』(2020年10月6日号)より一部抜粋、再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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