心付けの金額はほぼ決まっていて、僕の場合は3,000円か5,000円である。まあ、高級旅館では5,000円包む場合もある(ほとんど泊まらないけど)、というだけであって、基本的には3,000円である。それで十分だと思う。
なぜ、不要だといっておきながら、自分は心付けを包むのか、というと、僕はお酒をたくさん飲むので、部屋食の場合は何度もお酒を運んでもらうし、食事場所の時でも、注文する機会が多い。こういうとき、心付けを渡しておくと、仲居さんがそれとなく気配りをしてくれる場合が多いのである。お酒、なくなってないかな、おかわりはどうかな、とかね。
しかも、酒を飲んで腹がふくれて最後の食事(ご飯ですね)を食べないくせに、夜中に腹が減るタイプである。 なので、「白飯は食べられないから小さなおにぎりを2つくらい握ってくれませんか?」とお願いしたりする。
こんな時も、心付けを渡しておくとニッコリ引き受けてくれることが多い。香の物はつまみにするので先にもらっちゃうが、すぐに対応してくれる。
通常は「ちょっと頼みにくいなぁ」と思うことを、自分自身が「頼みやすい気持ちになれる気がする」というところが大事である。
仲居さんや宿は、心付けなんかもらわなくてもきちんと対応しますよ、というのだろうけど、こちらの気分が変わることの方が重要なのだ。そのための出費なのである。
3,000円という金額が妥当かどうかはわからないけれど、1泊2食付きで1万5,000円くらいの宿に泊まっているのに、5,000円も心付けを包むのはおかしいでしょう? で、この値段に落ち着いているのである。
で、この心付け、いつ仲居さんに渡すのがいいのか?
これは、部屋に着いてお茶などを入れていただいて、一度仲居さんが部屋を出るときに、さりげなくお渡しするのがいい。
くれぐれもいっておくが、帰りに渡しても意味がない。 理由は、これまでの内容を読めばわかるはずである。
テッシュにくるんで渡す、というのは正直言ってかっこわるい。ので、僕はかみさんとの旅行のときには「ぽち袋」を必ず持っていく。温泉地の土産屋で買ったものが多いので、それらしい模様のものがあって、温泉宿の仲居さんに渡すのにはなかなか重宝だ。
ご祝儀袋みたいなでかい袋で渡すのもよろしくない。仲居さんが帯に隠してもって帰れるようなサイズであることが大事。
役に立ったかわからないけども、僕は経験的にそのようにしている。ご参考までに。
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『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』より一部抜粋
著者/飯塚玲児
温泉業界にはびこる「源泉かけ流し偏重主義」に疑問を投げかけた『温泉失格』の著者が、旅業界の裏話や温泉にまつわる問題点、本当に信用していい名湯名宿ガイド、プロならではの旅行術などを大公開!
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