まずは白黒はっきりさせてから。今日から実践したい悩みのシンプル化

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誰にでも悩みの1つや2つはあるものですが、人によっては悩みに対しての捉え方に違いがあると、戦略コンサルタントの中久保浩平さんは自身のメルマガ『ビジネス真実践』の中で指摘しています。記事では、具体的なエピソードをあげながら、悩みをシンプル化することで決断力や行動力を高められると解説。その具体的な方法とは……?

悩みをシンプルにする

誰でも仕事やプライベート、また、大小に関わらず悩みの1つや2つあると思います。

私ごとで恐縮ですが、これまでたくさんのビジネスパーソンの悩みをお聞きしてきました。

そして、その中から1つ発見したことがあります。それは「悩む」ということに対して前向きに悩む人と後ろ向きに悩む人があるということです。

例えば、ある会社で新しい商品を開発することになったとします。

そこで、その商品が市場に受け入れられるかどうか?をリサーチすることになりました。

そのリサーチ結果を基に商品開発部長のAさん営業部長のBさん、この2人が判断し、はじめて商品化へ進むというわけです。

商品化か否かは2人の部長の決断にかかっています。

まさに、2人の部長は決断に悩んでいました。

開発部長のAさんは、リサーチ結果を見ながら思ったより、市場の反応は良くないなぁ~。何がいけなかったんだろう?

一方で、営業部長のBさんは、「困ったなぁ~。この結果じゃ売れないかもな。やっぱり商品化は難しそうだな

同じ課題に対して決断しないといけないという悩みなのですが、捉え方が全く違います

開発部長Aさんの「なにがいけなかったのか?」という捉え方は、 反省・改善の意図が見え、とても前向きな悩みと思えるかもしれませんが、決断しなくてはならない、ということを考えると決して前向きとはいえません。

むしろ後ろ向きなのです。

どういうことかというと・・・芳しくないリサーチ結果を見ても、商品化への執着が捨てきれず、まだなんとかなる、と思ってしまい大事な決断どころか、さらに悩みを増幅させ、益々決断が下せなくなってしまっています。

一方、営業部長のBさんは、リサーチ結果を見て、「これじゃ売れないかも」「商品化は難しい」というような後ろ向きな発言をしているように見えますが、実は、「商品化するかどうか」という決断に対して真っ直ぐに悩んでいます。

即ち、決断を下さないといけない」=「商品化するか否か」という状況判断をきちんと把握しているのです。

このように、大事な決断を下さないといけない状況下では、Bさんのように「するかしないか」といったシンプルな考え方のほうがよほど前向きなのです。一見すると逆の感じがするかも知れませんが、何かを決断する時の悩みというのは、シンプルに考えるのが一番です。

ウジウジとあれやこれやと考え込んでしまうと決断はおろか、悩みの種が増え、疲れるだけです。

そういえば・・・以前、こんなこともありました。

その社長は、決断力が鈍いというか、悩むのが好きなタイプの人でした。

自社の新商品を口コミで拡げていくためには、●●業界にも呼びかけて、協力してもらいましょう」という作戦を練っていて、あれこれ打ち合わせを繰り返しようやく実践、という段階にきました。

ところが・・・肝心の社長さん●●の業界には顔が利きませんので、気がひけると言い出したのです。

「社長、別に●●業界にはリスクはないし、そうしたアプローチもバッチリ考えたじゃないですか。それに、●●業界にとっても喜んで貰える、って社長言ってましたよね。やるだけやってみましょう」と励ましたところで、「う~ん。どうしたものか・・・」と悩むばかり。

お解り頂けると思いますが、作戦が練りあがる前、打ち合わせの段階で、この悩みは解決していたのです。

というより、社長は、悩まなくて良かったのです

悩み事、っていうのは十人十色ですし、誰もが何らかの悩みを抱えて生きています。

でも大事な決断を下さなきゃいけない、という時は特にですが……どれだけ時間をかけ、悩んでも最後には「YES」か「NO」の答えしかありません。

悩むこと全てが無駄とは言えませんが、時間を掛けすぎて、かえって悩みを増やす、悩まなくていい悩みまで抱え込んでしまうということになりかねません。

ですので、どんなに大きな悩みを抱えても、「いったい、どうすればいいだろうか?」なんていうことから入らずに、YES」か「NO」か「やるか」か「やらないか」といったような2つに1つという選択肢に絞りきってから悩む方が前向きです。

そして、悩みはシンプルにすればするほど、決断力や行動力といったものを高めてくれます。

ですから、どのような事に対しても常に白か黒か」「YESNO」「やるかやらないかの決断を下す為の基準を設けておくことです。

そうすれば、何かと悩みが出てきた時に、早く解決できるようになってきます。

大事な決断をしなくてはいけない場面が多い経営者やプロジェクト責任者などは特にそうした基準を設けておくことが必要です。

 

今日のまとめ

『悩みはシンプル化することで決断力を高める』

・悩みを抱えた時、それを解決させる為の近道へなるような基準を考え、書き出す。

・その基準を社内で統一化できるよにするにはどんな工夫ができるか?どのように社内に伝えていくか?その工夫を考え、書き出す。

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