早足がアルツハイマー型認知症を遠ざける?米国神経学会が発表

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認知症の半数以上を占めると言われている「アルツハイマー型認知症」。現在はまだ有効な治療法は発見されていません。そんな中、米国神経学会のアルツハイマー型認知症に関する研究発表が注目を集めています。無料メルマガ『e-doctor ドクタースマートの医学なんでも相談室』の著者で内科医のドクタースマートさんに詳しく解説していただきました。

アルツハイマー型認知症は、歩くのが遅いんだって?

今日は、アルツハイマー型認知症は、歩くのが遅いんだって?というお話です。

米国神経学会が、歩行速度が遅いことがアルツハイマー型認知症の前兆となりうるとする研究を発表しました。

この研究は、認知症には至っていないが記憶に関する懸念があり、認知症発症リスクが高いと考えられる被験者128人(平均76歳)を対象に、アルツハイマー型認知症発症に関連するといわれるアミロイド斑をPETで測定。併せて被験者の思考記憶力と日常活動力、および4mの歩行時間の測定を行いました。

その結果、被験者の48%にアルツハイマー型認知症発症に関連するレベルのアミロイドを確認しました。アルツハイマー型認知症発症の前兆が認められたのは46%でした。

2人の被験者以外は正常な歩行速度で歩くことができ、平均歩行速度は秒速1mでした。

また、研究では、運動機能に深く関わる領域を含めた脳のいくつかの領域に存在するアミロイドと歩行速度遅延に関連があることを確認しました。

被験者の歩行速度の違いは、9%までがアミロイド量で説明が可能でした。年齢や教育レベル、記憶障害の程度などで調整後も、アミロイド量と歩行速度の関連は変わりませんでした。

研究者は「軽微な歩行障害と記憶に関する懸念の共存は、臨床症状出現前のアルツハイマー型認知症の徴候かもしれない」と分析しています。ただ、今回の研究は一時点での事象をスナップショット的に捉えただけであり、アミロイド斑と歩行速度低下の因果関係の証明はされていないと補足しています。

そうなんですか? 速く歩いていればアルツハイマー型認知症にならないんですね? 皆様も速く歩く練習をしましょうね。ドクタースマートも、今日から、一生懸命速く歩くことにしますから。

image by: Shutterstock

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