ブレアは時給7000万、小泉は年収2000万。元政治家の講演ギャラが高額なワケ

Blair_Bush_Whitehouse_(2004-11-12)
 

イギリスの元首相、ブレア氏が1時間に講演で稼ぐ額は7000万円、対して日本で一番人気がある政治家、小泉純一郎氏は年収で2000万円…。この差はどこから来るのでしょう。元参議院議員でシンガポールの国立大学で教鞭を執る田村耕太郎さんは、「リーダーとして示してきたビジョン」と「英語力」の違いだと言います。

世界で通用する政治家になるためには、ビジョンと英語力が必要だ

政治家は政治を離れてから自分のバリューを初めて知らされるわけだが、世界でプレゼンスがある政治家は現職時代以上のバリューがつく。LAで一緒だったトニー・ブレア氏は1時間で7000万円の講演料。クリントンやヒラリーもかなり高額。年収は首相や大統領時代の何十倍にもなっている。オバマにも凄い値段が付きそうだ。

一方で、日本でスター政治家の域に入っていた小泉さんだが、すでに明らかになったように、財界が何とか作ったシンクタンクで年収2000万円くらい。他の人にいたっては、まあ適度に財産があるから何とかなっているようなものだが、首相でもない人たちは本当に残念な待遇状況になっている。

英米の過去のリーダーの話に高額がつくのは、世界のリーダー層にミーハーが多いこともあるが

  • リーダーとしてビジョンを示し、意思決定してきた。その話に価値がある
  • 世界のリーダー層に知られていて、そこの共通言語である英語で話ができる

ということだろう。ミルケンから世界で知られている日本人を紹介してほしいと言われた時彼がたとえとして出してきた名前は「ケン・ワタナベ」であった(笑)。今や安倍総理は広く世界のリーダー層に知られているが、日本と言わなくもアジアで政治や財界のリーダーとして知られているのは、リークワンユーとリーカーシン(李嘉誠)くらいだ。アメリカ人リーダーが普通に知っているのは。もちろんシージンピン(習近平)は別格だ。

日本のリーダーも世界の舞台に登壇して世界のリーダー層とパネルやるべきだ。英語でいい議論をして、自分の名を世界に売るべきだ。そのためには官僚や党が決めたビジョンではなく、自分のビジョンとそれを実現するための政策と戦略を持っておくべきだろう。

そしてそれを英語でも言えるようにする。時間を作って世界の舞台に出る。その前に世界から声がかかるように機会があれば、いや機会を作って、世界のレーダーに引っ掛かるように発信を継続するべきだろう。

今から引退時の事を考える必要はないが、政界で台頭していくためにもこの手法は有効だと思うので頑張ってほしい。世界から支えられる人材が2020年以降はさらに必要になってくると思うし。

image by: wikimedia commons

『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』 Vol.159より一部抜粋

【Vol.159の目次】
1.成長で財政を健全化するためには人口増が不可欠
2.日本政府がシリコンバレー起業を促進する意義
3.カリフォルニア産イチゴ美味し
4.世界を変える具体的で決定的なアクション!
5.ワールドクラスの政治家のバリュー
6.娘の誕生会の招待状送付
7.アメリカの飯はうまい
8.アジアをまじめに目指す起業家の登竜門に!
9.世界のカジノ王とのプライベートセッション
10.オープンにダイバーシティーを取り入れろ

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著者/田村耕太郎(前参議院議員)
早稲田大学、慶応大学大学院、デューク大学法律大学院、エール大学経済大学院を各修了。シンガポールを拠点に、歯に衣着せぬ鋭い論調で「日本の良い箇所・悪い箇所」を指摘するメルマガは、世界で勝負したいという人必読。
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